1996年から、F1のセーフティカーはメルセデスが独占的に供給してきたが、2021年からはアストンマーチンがその役割を分担することが議論されているようだ。


 これまではメルセデスが整備費などの維持費も含め、無償でセーフティカー用に車両を提供してきたが、新たなコンコルド協定が効力を発揮する2021年に向けて、契約内容の見直しについて議論が行なわれているという。

 最終的な決定はまだされていないとみられるものの、情報筋の話によると、メルセデスが単独のセーフティカーサプライヤーという立場から身を引く可能性が高まっていることが分かった。

 セーフティカーと同じくメルセデス製の車両が使われているメディカルカーを含め、メルセデスは引き続き大きな役割を果たすことになると理解されてはいるものの、協定を変更してメルセデスがアストンマーチンとセーフティカー供給の役割を分担することについて、今も協議が行なわれているという。

 このような変更により、F1のカレンダーが23レースに拡大していく中で、2社間で財政的な負担を分かち合うことができる。

 また、メルセデスとアストンマーチンはこの1年半の間に株式保有契約や技術協力の緊密化などを行ない、距離を縮めている。

 先日、メルセデスがアストンマーチンへの出資比率を20%に引き上げると発表されたばかり。それに合わせて、パワートレインや電気/電子制御アーキテクチャを含むメルセデスの最先端テクノロジーへのアクセスを、アストンマーチンに提供することも発表されている。

 メルセデスのF1チーム代表であるトト・ウルフもアストンマーチンの株式を個人的に保有しており、アストンマーチンのオーナーであるローレンス・ストロールと親しい関係にある。

 来季、アストンマーチンはレーシングポイントの名称を変更する形で、ワークスチームとしてF1に復帰することになる。セーフティカーはTVの露出度が高く、F1のマーケティング効果を利用して、市販車のセールスにつなげたいとアストンマーチンは考えているはずだ。

 アストンマーチンの広報担当者はmotorsport.comに次のように語った。

「アストンマーチンのポリシーとして、憶測にはコメントしないことにしている。マニュファクチャラーとして、60年以上ぶりにフルワークスチームとして2021年にF1に復帰することに我々は非常に興奮しており、集中している」

 現行セーフティカーは、2018年にベース車両がメルセデスAMG GT Rへとアップグレードされ、F1史上最速のセーフティカーとなっている。4リッターV8ツインターボのエンジンは585hpを発生。最高速度は時速約319kmに達する。