2020年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権最終戦であるセブリング12時間レースで、マツダ・モータースポーツ55号車(ジョナサン・ボマリート/ハリー・ティンクネル/ライアン・ハンター-レイ組)が優勝し、今季2勝目を挙げた。シリーズチャンピオンはアキュラ・チーム・ペンスキー7号車のエリオ・カストロネベス/リッキー・テイラー組が獲得した。

 セブリング・インターナショナル・レースウェイで行なわれた伝統の耐久レース。ポールポジションを獲得したのは、フル参戦勢のカストロネベスとテイラーに、インディカー・シリーズで活躍するアレクサンダー・ロッシを加えたアキュラ7号車。デイトナ24時間では小林可夢偉もドライブしたウェイン・テイラー・レーシングのキャデラック10号車(レンガー・ヴァン・デル・ザンデ/ライアン・ブリスコー/スコット・ディクソン)がフロントロウの2番手に続いた。

 アキュラ7号車とタイトルを争うキャデラック10号車だが、なんとローリングスタート時の違反で痛恨のドライブスルーペナルティ。その後も7号車、10号車共にトラブルでルーティン外のピットストップを強いられる苦しい展開で、順位を落としていった。

 そんな中でトップに浮上したのは、7番手スタートのマツダ77号車(オリバー・ジャービス/トリスタン・ヌネス/オリビエ・プラ)。5番手スタートのマツダ55号車も2番手につけ、マツダがワンツー体制を築くこととなった。

 そしてフィニッシュまで30分を切り、マツダのワンツーフィニッシュは確実かと思われていた中、55号車に25秒の差をつけてクルージングに入っていた77号車の左リヤタイヤが突然パンク。ジャービスはターン10でコースアウトした。彼はピットに入りタイヤを交換するも、アキュラ6号車(デーン・キャメロン/ファン・パブロ・モントーヤ/シモン・パジェノー)にも抜かれ3番手に後退してしまった。

 トップに立ったマツダ55号車はそのままチェッカーを受け、第2戦以来の今季2勝目を挙げた。2位にはアキュラ6号車、3位にマツダ77号車と続いた。

 トップチェッカーを受けた55号車のティンクネルは、「僕は(コクピットで)ひとりごとを言った。”これこそが願っていた夢なのだ”と。世界最高峰のレースのひとつで、終盤20分にレースリーダーとなったが、とにかく全力を尽くしてポジションを守るしかなかった。後悔するものかと、死にもの狂いでプッシュした」とコメントした。

 キャデラック10号車が7位、アキュラ7号車が8位となったことで、7号車のカストロネベスとテイラーが、10号車のブリスコーとヴァン・デル・ザンデをわずか1ポイント差で下してチャンピオンに輝いた。インディカー・シリーズではインディ500を3度制しながらもシリーズタイトルには縁がない“無冠の帝王”としても知られるカストロネベスだが、45歳にして初めてアメリカモーターレーシングの最高峰でチャンピオンに輝いた。