かつてフェラーリF1のチーム監督を務め、現在はFIA会長のジャン・トッド。彼は自身のフェラーリ時代よりも、現在のメルセデスの方が支配的な活躍をしていると語った。

 トッドは1993年にフェラーリに加入すると、1996年にはベネトンで既に2度の王者に輝いていたミハエル・シューマッハーを招き入れ、1999年から6年連続でコンストラクターズタイトル、2000年から5年連続でダブルタイトルを獲得するなど、一時代を築いた。これはF1が2014年にハイブリッド時代に突入するまで、F1チームによる史上最も支配的な活躍として知られていた。

 しかし、2014年からはメルセデスとルイス・ハミルトンが圧倒的な強さを発揮。同年から2020年まで7年連続でダブルタイトルを獲得し、フェラーリの持つ記録を塗り替えた。

 ハミルトンは現在、シューマッハーが持つドライバーズタイトルの歴代最多記録に並んでおり、優勝回数とポールポジション回数は既にシューマッハーを上回っている。そういった背景もあり、最近はハミルトンとシューマッハーが何かと比較されることが多い。

 トッドはハミルトンとシューマッハーを比較するのは難しいとしながらも、ハミルトンとメルセデスのコンビが2000年代前半のフェラーリよりも支配的な存在であると考えていると持論を述べた。

「我々は異なる人物、異なるものについての話をしている」とトッド。

「唯一比較ができるのは(ドライバーズタイトルの獲得回数が)7対7になっているということだ。片方は非常にうまく組織化されたドイツのチームで、才能豊かなドライバーを擁している。もう一方のイタリアのチームはメンタリティやアプローチが異なっているが、こちらも非常によく組織化されていて、ミハエル・シューマッハーという素晴らしいドライバーもいた」

「私が感じているのは、メルセデスとルイスの優位性や支配力は、我々がフェラーリでミハエルと共に戦っていた時よりも大きいということだ」

「彼らが素晴らしいのは、マシンの信頼性が非常に高いということだ。ルイスが欠場したバーレーンの2レース目を除けば、彼は2年間入賞を逃したことがない」

「それは間違いなくずば抜けた記録だ。それにドライバーはミスをしないんだ」

 トッドはまた、ハミルトンのパフォーマンスに感銘を受けただけでなく、彼のチームプレイヤーとしての振る舞いも印象的だったと語り、さらにこう続けた。

「私は2020年を待つまでもなく、彼に感銘を受けてきた」

「今は彼が7度目のチャンピオンに輝いたことについて言及されているが、私は過去の6回で既に感銘を受けている」

「彼のチームが持続性を確保し続けたことにも感銘を受けた。我々は人と機械が関わる世界に身を置いているが、(メルセデスは)卓越したチームスピリット、チームワークに関する最高の例だと思う」

「ルイスが自身の成功について、そしてその背後にあるチームの働きについて話す度、私は彼に称賛の言葉を送らないといけない。私は非常に感銘を受けているし、記録がそれを何よりも証明している。いくつかは既に破られ、いくつかは並ばれている」