2017年からレーシングポイントF1チームのタイトルスポンサーを務めてきたオーストリアの水処理会社『BWT』。同年以降、レーシングポイントはピンクのカラーリングに塗られ、F1界において非常に目立った存在となっていた。

 しかしながら、レーシングポイントは2021年からアストンマーチンに名称変更。それに伴いマシンのカラーリングはブリティッシュグリーンに変わることとなり、同時にBWTとのタイトルスポンサー契約も終了となった。

 BWTが今季もF1への関与を続けるのかは明らかとなっていないが、情報筋によるとBWTはF1界に印象的なピンクのカラーリングを残すためにふたつの選択肢を検討しているという。

 そのひとつ目は、2019年にリッチエナジーとの契約が破綻となって以降、タイトルスポンサーがいないハースとの契約だ。ハースとBWTはこの件に関してコメントしていないが、ドイツメディアがいくつか興味深いコメントを掲載したことで噂が加速する形となった。

 今季ハースからはミック・シューマッハーがF1デビューを果たすが、その叔父で元F1ドライバーのラルフ・シューマッハーは、ドイツの『Express』に次のように語り、ハースに新しいスポンサーが付いてカラーリングが変わる可能性を示唆した。

「とあるスポンサーが手に入れられるようになったんだ」

「その色が何かミックに影響を与えるということはないだろうがね」

 しかしながら、BWTにとってはハースが唯一の選択肢ではなく、ウイリアムズとも交渉を行なっているようだ。

 ウイリアムズは昨年にドリルトン・キャピタルが新オーナーとなり、改革が進んでいる。彼らは3月の新車発表に先駆け、2月17日にシルバーストンで2021年マシン『FW43B』を走らせている。その際のカラーリングはブルーだったと見られているが、これが正式カラーなのか暫定カラーなのかは不明だ。

 マシンが既に走行を始めている段階にも関わらず、ウイリアムズの新車発表は3月5日とまだまだ先。彼らが発表を遅らせているのは、新たなスポンサーとの契約で最終調整を行なっているから、という可能性も考えられる。

 しかしながらウイリアムズは、BWTとの交渉についてコメントを控えている。チームの広報担当者は次のように語った。

「ウイリアムズ・レーシングは、エキサイティングで新しいブランドの方向性と商業戦略を打ち出している。これはチームが新時代に突入するにあたり、大きな関心を集めている」

「しかしその性質上、これらの話し合いは機密事項であり、具体的な内容や憶測についてコメントすることはない」

 BWTは飲料水システムに留まらず、医薬品や暖房及び空調システム、スイミングプールといった幅広い事業を通して水処理事業に携わっている。BWTの代表であり主要株主であるアンドレアス・ワイベンバッハーはメルセデスのチーム代表であるトト・ウルフとも親交が深い。

 そういった背景からBWTは当初、2017年にメルセデスのスポンサーとなることを望んでいた。彼らはマシン全体をピンクにすることを条件としていたが、メルセデスがカラーリングの変更を拒否したため、代わりにフォースインディア(後のレーシングポイント→アストンマーチン)と契約を結んだという過去がある。