ハースF1チームは新しいレギュレーションが導入される2022年のマシン開発にチームのリソースを集中させると決断。今季のマシン開発を行なわないという決定を下したことにより、厳しい状況に置かれている。

 ハースは今季、ミック・シューマッハーとニキータ・マゼピンのルーキーコンビをドライバーに起用しているが、ふたりはスピンやクラッシュを経験しており、マシンに慣れるという点でもパフォーマンスの面でもかなり苦労をしている。

 ハース代表のギュンター・シュタイナーは、ドライバーに対して残酷なまでに感情をむき出しに表現することで知られているが、最近はチーム状況も踏まえ、発言に慎重にならざるを得ないという。

 オーストラリアGPコーポレーションが制作しているポッドキャスト『In the Fast Lane』に出演したシュタイナーは、ドライバーに対して間違ったことを言ってしまうと、結果的に悪影響を及ぼす可能性があると説明した。

「どうすればもっとも早く恩恵が得られるか、もっと考え分析しなくてはいけない」

「間違った言葉を使ってしまうと、良くないことになってしまうので難しい時がある。私にとって、最大のチャレンジは彼らが自分のやっていることに自信を持ってくれるようにすることだ」

「考えてみてほしい。21歳か22歳でF1に参戦し、全てのプレッシャーがかかっているんだ。考えただけでも、それに対処するのは簡単ではない。ましてや、非常にトリッキーなマシンでレースをするなんて考えられない……だからこそ、彼らが最も苦労している弱点を見つけて、それを補ってあげたいと思うんだ」

 シュタイナーは、昨年までチームに在籍していたロマン・グロージャンやケビン・マグヌッセンのような経験豊富なドライバーでも、最高のパフォーマンスを発揮するためには、励ましが必要な時もあると語った。

「ケビンが我々のところに来た最初の年は、たとえF1で2年間の経験を積んでいたとしても、かなり不安を抱えていて、自分を信じられずにいた」

 そうシュタイナーは明かした。

「しかし、チームが彼を応援していること、我々が彼をサポートしていることを知ると、彼はすぐに元気になった」

「私はミックやニキータにも同じことをしている。『我々は君たちのためにここにいる。君たちを真っ先に助ける者たちだ。我々を信頼してほしい。我々は君たちを助けるために最善を尽くしている』と伝えるんだ。落ち着いて努力し、集中してもらう必要がある」

 シュタイナーは開幕戦バーレーンGPで早々にスピンしたマゼピンは自信を失っていたものの、第2戦エミリア・ロマーニャGPで大きな一歩を踏み出したと語った。

「彼(マゼピン)の自信は少し失われていたと思う。バーレーンでは路面も風も非常に難しい状況だった。彼は何度かスピンをしてしまい、それが彼を少し不安にさせたのだと思う。その上、ミックは素晴らしい仕事をしていた」

「しかし彼は今、それを理解していると思う。イモラでは大きな一歩を踏み出したんだ。だから彼は立ち直ると思う。確かに彼にとっては少しショックな出来事だったが、彼は今、自分を取り戻しつつある」

「週末を通じて彼を話をしていたが、彼がベストを尽くせるように指導をしていただけなんだ」