2021年のF1ベルギーGP決勝は、悪天候によりスタート時間が大きく遅れた上、その遅れたスタートの後も、セーフティカー先導のまま僅か3周だけ走って終了するというレースになった。

 一方土曜日に行なわれたF1の予選も雨に見舞われ、中断することになったが、コースコンディションが悪いというドライバーからの指摘にもかかわらず、レースコントロールは、予選Q3を続行するという決断を下した。

 この予選Q3の序盤には、マクラーレンのランド・ノリスがオー・ルージュからラディオンにかけての区間でスピンし、コントロールを失って大クラッシュを喫した。

 ノリスはなんとか無傷でマシンから降りることができたものの、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は「だから言っただろう」と、Q3をスタートさせたレースコントロールを批判した。ベッテルはそれ以前には、コンディションが危険すぎると訴えていたのだ。

 FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシは決勝レース後、後から考えれば、予選Q3は「おそらく開始するべきではなかった」と認めた。

「(土曜日の)夜に多くのドライバーと話して意見を聞いた。非常に建設的なフィードバックが寄せられた」

 そうマシは語った。

「だから、後から考えれば、それは信じられないことだった。彼らは、このサーキットやその他あらゆるサーキットで経験したコンディションについて話をしてくれた。我々はおそらく始めるべきではなかっただろう」

「しかしそれは、彼らがあのような状況でサーキットを走ったことで得られた知見でもある。サーキットによって、水の量やタイヤの反応などは少し違うからだ。全てのことにメリットがあると考えなければいけない」

 今週末にはノリスの一件だけでなく、併催されたWシリーズでも、複数台のマシンが絡む多重クラッシュがオー・ルージュ〜ラディオンの間で起きた。また、先日行なわれたスパ24時間レースでも同区間で多重クラッシュが発生している。

 これらのことは、日曜日のレースをどうするかと考えている際に、頭に浮かぶことはなかったとマシは語る。

「人々は日々あらゆることから学んでいると思う」

 そうマシは説明する。

「そして先ほども言ったように、(土曜日の)夜に、その天候を経験し、コースを走ったドライバーたちと話したことは、良い参考になった」

「彼らは私に、何が起き、何が起きるべきでないのか、その素晴らしいフィードバックを与えてくれた。このことは明らかに、今日の私が行なったプロセスを助けた。彼らは『ここまでが何とかできる領域で、ここはどうにもできない領域だ』と話してくれた。それは非常に役に立った」

 マシ曰く、ベッテルからの批判などがあったものの、当時は無線交信がたくさん行なわれており、その全てを聞くことはできなかったという。しかしそのフィードバックは、非常に価値のあるものだったようだ」

「我々がこれまで、ドライバーが無線でフィードバックを提供できるようにした。そして初めて、フォーメーションラップでもそれをするようになった。これは2019年のホッケンハイムでもやったし、2020年のトルコでもそれをやった」

 そうマシは語った。

「それは、そのコースに基づいて対処できることとできないことについての、彼らの視点からのフィードバックなんだ」