レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、F1ロシアGPをパワーユニット交換のペナルティにより、グリッド最後尾からスタートすることになる。そのためフェルスタッペンは予選でアタックせず、アウト&インラップを行なっただけでピットに戻った。

 激しいタイトル争いを繰り広げている最中のフェルスタッペンにとって、グリッド最後尾に降格させられるのはあまりにも痛手だ。しかし今回の予選結果は、フェルスタッペンにとっては歓迎すべきモノだったとも言える。最大のライバルであるルイス・ハミルトン(メルセデス)が、4番グリッドに留まったからだ。

 これについて尋ねられたフェルスタッペンは、次のように語った。

「結局のところ、予選セッションがどう進んだのかということを見れば、良かったね」

 フェルスタッペンはそう語った。

「一部のドライバーは、最後にスリックタイヤを履くというリスクを冒した。それが報われるというのは、素晴らしいことだね。最終的には、かなり良い結果になったと思う……」

 ハミルトンは今回のグランプリ開幕前に、フェルスタッペンのグリッド降格ペナルティを最大限に活かさなければならないと語っていた。さらにハミルトンは、「初めてチャンピオンを争う際には、大きなプレッシャーと対峙しなければいけない」と、フェルスタッペンには大きなプレッシャーがかかっていると示唆し、ライバルを牽制した。

 しかし、予選では4番手。しかもピットレーンでクラッシュしたり、コース上でスピンしマシンにダメージを負ったり、ピットの停止位置をオーバーしてクルーを跳ね飛ばしたりと……逆にハミルトンの方がプレッシャーに押しつぶされているようにすら見える。

「それについて話すのは、いつも難しい。いつでも推測することはできるけど、こういう状況では最も前のグリッドからスタートすることを目指さなければいけない。でも……」

「僕はそういうことについてはまったく考えていない。自分自身のことに集中する必要があるんだ。それだけで、とても重大なことだ。だから、(プレッシャーがかかっているのかどうかは)彼に尋ねるべきだと思うよ」

 ハミルトンが予選4番手となったのは、初のポールポジションを獲得したランド・ノリス(マクラーレン)やカルロス・サインツJr.(フェラーリ)、そしてジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)らがQ3早々にドライタイヤに変えるというリスクを成功させ、トップ3を占めたからだ。これについて感謝するべきかと尋ねられると、フェルスタッペンは次のように語った。

「ランドにはメッセージを送り、彼の最初のポールポジションを祝福したよ。彼は今日素晴らしい仕事をした」

「でも僕は、誰にも感謝する必要はないと思っている。彼らだって、僕のために良い予選を走ったわけじゃない。彼らは、自分自身のためにそれをしたんだ」

 多くのドライバーは、ウエットコンディションの中で予選を走った。しかしフェルスタッペンは各車のセッティングはドライ仕様のままであり、予選を走らなかった自分にアドバンテージはないと語った。また、決勝でのオーバーテイクは簡単ではないだろうとも語る。

「僕が見たところ、ほとんどのマシンは昨日と同じセッティングだったと思う。だからほとんどのドライバーが、ドライのセッティングで予選を走ったはずだ。明日は晴れるだろうから、雨に賭ける意味はあまりなかったと思う」

「常にアタックラップで最速のセッティングを目指すモノだけど、でもロングランやレースにおいてもそれほどは変わらないはずだ」

「決勝でのオーバーテイクは難しいはずだ。今年は全てのチームの戦闘力が、非常に接近しているからね。このコースでも、オーバーテイクは簡単ではない。カレンダーの中のどのサーキットでも、オーバーテイクは簡単じゃないよ」

 フェルスタッペンは、リスクを最小限に抑えつつも、ポジションを上げる努力をすると誓う。

「僕はポジションを上げていかなきゃいけない。もちろん、リスクは最小限にする。でも、注意しすぎてもどこにも行けない。だから僕は、自分がすべき形で攻めていく。そうすれば、結果が見えてくるだろう」

「まずはポイントを獲得したいと思う。ポジションを上げるのは、間違いなく簡単なことじゃないけどね」

「僕らに関係のないところで、少しでも混乱があればいいと思うけど……」

 今季は各所で接近戦を繰り広げているフェルスタッペンとハミルトン。前回のイタリアGPも含め、ふたりは度々接触も辞さないバトルを繰り広げてきた。そんなふたりは、今後もコース上で接触するのは避けられない……と言われている。

 それについてフェルスタッペンは、次のように語った。

「正直に言って、そんなこと考えもしていない。僕は自分のために、最高の結果を手にしようとしているだけだ。だから、そういうことを話すべきではないと思うし、それには意味なんてないと思う。誰の助けにもならないよ」