アルファタウリ・ホンダは、イタリアGP、そしてロシアGPと、2戦連続でノーポイントのレースが続いている。しかしその前を見れば、チームは13戦連続で入賞。非常に安定した成績を残してきた。

 ガスリーはうち10レースで入賞し、ここまで表彰台1回を含む66ポイントを獲得する安定感を発揮している。さらに予選では予選Q3進出の常連となっており、しっかりとした速さも兼ね備えている。チームメイトの角田が5回の入賞、18ポイントの獲得に留まっていることを考えれば、ガスリーは今やチームリーダーとしてのポジションを確固たるモノとしていると言えるだろう。

 しかし、来季のドライバー移籍市場では、ガスリーの名前が聞かれることはほとんど聞かれることはなかった。初期にはアルピーヌ移籍の可能性も僅かに取り沙汰されたものの、それもすぐに聞こえなくなり、アルファタウリの”親チーム”的存在のレッドブルへの昇格も、他のチームに移籍する可能性も、聞こえなくなっていった。

 レッドブルは8月末に、来季もセルジオ・ペレスを起用し続けることを決定。その後、9月7日にはアルファタウリも、ガスリーと角田のラインアップを継続することを発表した。その発表がなされた際、誰もが当然のことであると考えた。

 ではガスリーの将来はどうなるのだろうか? ガスリーはトロロッソ/アルファタウリで、合計3回の表彰台を獲得。2020年のイタリアGPでの勝利がハイライトであると言えよう。しかしレッドブルへの”復帰”を果たすことはできなかった。しかしガスリーは、姉妹チームであるアルファタウリに留まり、レッドブルに昇格することについての野心を間違いなく持っている。

 イタリアGPの際、ガスリーはフランスのテレビ局Canal+のインタビューに、次のように語っている。

「トロロッソ/アルファタウリがF1にデビューしてから15年の間で、ドライバーとしては最高のシーズンを過ごしている」

「でも、(レッドブルへ)昇格するという点では報われなかった」

「そのことは悲しくて、少し苛立たしいのは事実だ」

「しかしそれが現状であり、僕の手には負えないモノだ。残念ながら、それは僕次第ではないんだ」

 ガスリーは2019年、レッドブルのドライバーとして抜擢された。しかしチームメイトのフェルスタッペンと比較して成績が伴わず、シーズン半ばにアレクサンダー・アルボンと交代させられる形でトロロッソに降格させられてしまった。しかしそのアルボンも成績が振るわず、2020年限りでシートを失うことになってしまった。

 レッドブルはそのため、2021年のドライバーとしてセルジオ・ペレスを起用。アゼルバイジャンGPでは乱戦を戦い抜いて優勝を手にしたが、特に予選では苦しむことが多い。これはガスリーやアルボンと同様だ。

 しかしレッドブルは、2022年も引き続きペレスとの契約を延長することを決めた。このペレスについてガスリーは、最近のインタビューで次のように語っている。

「ザントフールトでのパフォーマンスを見ると、彼は予選Q1で脱落し、レースではチームメイトから1周遅れの8位に終わった。しかし、その日の”ドライバー・オブ・ザ・デイ”に輝いている。みんなが本当に理解していないことがあると思う」

 そのペレスは、レッドブルのマシンに慣れるのは非常に難しいと率直に語っている。フェルスタッペンのドライビングに合ったマシンとなっているため、それを乗りこなすのは難しくなっているというのだ。これは、ガスリーとアルボンが直面したのと同じ課題であると言えよう。