先日行なわれたF1ロシアGPでは、マクラーレンのランド・ノリスが終盤までトップを走行し、ルイス・ハミルトン(メルセデス)を従えて走行していた。しかしノリスは残り数周というタイミングで降り出した雨に翻弄される格好となり、インターミディエイトタイヤに交換するタイミングを誤った結果7位に転落した。

 F1初優勝のチャンスを逃したことで、レース後にはひどく落ち込んでいることを認めたノリス。こういった経験をしたドライバーはノリスが初めてではなく、おそらく最後でもないだろう……今回は歴史に名を残すF1ドライバーたちが初優勝を逃したレースを10戦ピックアップした。今回はその前編。

■ナイジェル・マンセル:1984年モナコGP

 悪コンディションの中で行なわれた1984年のモナコGPでは、ポールポジションスタートのアラン・プロスト(マクラーレン)にミスファイアの症状が出たことでロータスのナイジェル・マンセルがトップに立った。彼がレースをリードするのはキャリア初のことであった。

 コースはまさにずぶ濡れという状況だったが、マンセルは臆することなく走行し、プロスト以下後続とのリードを1周2秒ずつ広げていった。

 しかしその数周後、マンセルはサン・デボーテを立ち上がった後の上り坂でコントロールを乱しウォールにヒット。マシンを降りることとなった。

 マンセルは同年のダラスGPでポールポジションからスタートするも優勝ならず。翌年ウイリアムズに移籍し、地元ブランズハッチで初優勝を挙げた。