東洋と西洋の交差点、トルコのイスタンブール・パークで行なわれるF1第16戦トルコGPのフリー走行1回目が行なわれた。セッショントップタイムをマークしたのは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)だった。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い当初予定されていた日本GPが中止。その代替戦として、昨シーズン復活を果たしたトルコGPが今年も開催されることになった。

 サーキット設計者であるヘルマン・ティルケの“最高傑作”のひとつとも言われる全長5.338 km、反時計回りのイスタンブール・パークは、3つのエイペックスを持つターン8が特徴。再舗装された路面に浮き出たオイルと降雨によりトリッキーなレースとなった昨年のグランプリが記憶に新しい。

 金曜日の午前中は気温19度、路面温度29度、そして少し風が強い状況だ。60分のセッションがスタートし、各車は続々とピットアウト。ドライ路面の中、コースの感触を確かめた。オイリーな路面状況はなくなり、持ち込まれたタイヤセットも昨年から一段階柔らかいC2〜C4になったため、ランド・ノリス(マクラーレン)からは「昨年よりも断然良いよ」というファーストインプレッションがチームに伝えられた。

 カルロス・サインツJr. (フェラーリ)はマシンにはディフューザー後ろ、セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)はフロントウイングの翼端板に大きな計測機器をつけて走り始めた。

 他のグランプリサーキットと異なり、あまりレースを開催していないイスタンブール・パーク。路面の改善により各車の周回数に比例してタイムは大きく改善していった。初日の15分経過時点で、ハミルトンはソフトタイヤを履き、ファン・パブロ・モントーヤが2005年に記録したコースレコードを上回る1分24秒511を記録した。

 レッドブル・ホンダは、本来鈴鹿で披露する予定だった特別カラーリングのマシンをトルコGPで投入。ホンダが1965年にF1初優勝を遂げたマシン「RA272」をモチーフにした白基調のモノだ。フロントのドライバーナンバーは、日の丸をあしらったデザインに。2021年末にF1を去るパワーユニット(PU)サプライヤーのホンダへの敬意を表し、エンジンカバーやリヤウイングの裏には日本語で「ありがとう」の文字が入れられた。ドライバーふたりも紺のレーシングスーツから特別カラーに合わせて、白基調のスーツをトルコGPでは着用している。また、同じくアルファタウリ・ホンダのリヤウイングにも、「ありがとう」の文字が記されている。

 白色に染まったマックス・フェルスタッペンも、2セット目のソフトタイヤを投入し1分24秒台のタイムを計測。ただ、セクター3でスロットルを戻すなどハミルトンと同様に全開アタックはしておらず、真の実力は見えてこない。

 各ドライバーが2セット目のタイヤを投入したセッション折返し時点で、角田のマシンはボディカウルが開けられ、メカニックが手を突っ込んで作業をしていた。ここトルコでは走行経験がないルーキーの角田としては痛いトラブルだったが、セッション20分を残した時点で問題は解消したようで、角田も再びコースへ復帰した。

 このレース週末は降雨が予想されていることから、各車はソフトタイヤやミディアムタイヤを続々投入して周回を重ねた。前戦ロシアGPの予選Q3のように、突然ドライ路面での走行が要求されることもある。今後のドライ路面での走行機会が不透明なこともあり、ロングランのプログラムをFP1で消化すべく精力的に走行を続けていた。

 セッションをトップで終えたのは、ハミルトン。タイムはソフトタイヤで計測した1分24秒178だった。2番手にはタイトルライバルのフェルスタッペンが、0.425秒差の1分24秒603で並んだ。3番手にはシャルル・ルクレール(フェラーリ)で、6番手のエステバン・オコン(アルピーヌ)までが24秒台を計測した。

 角田は途中マシントラブルに見舞われたものの28周を走り、1分26秒424を計測。18番手でFP1を終えた。ただ、チームメイトのピエール・ガスリーは1分25秒382で8番手と大きく水をあけられている。

 なお、サインツJr.はトルコGPで新しいPUエレメントを投入し、グリッド降格ペナルティにより最後尾スタートが決定している。また、ハミルトンもPUの内燃機関(ICE)を新しいモノへ交換し、10グリッド降格が決まっている。