F1第16戦トルコGPの予選が行なわれ、10グリッド降格ペナルティを抱えているメルセデスのルイス・ハミルトンが最速タイムをマークした。

 当初は鈴鹿サーキットで日本GPが行なわれる予定だった週末に、イスタンブール・パーク・サーキットで開催されているトルコGP。昨年はグリップが極端に低い路面に悩まされたが、今年はその問題は解消され、グリップレベルが格段に向上した。

 一方、雨絡みだというのは昨年と同様。予選前のFP3はウエットコンディションで行なわれ、セッション途中で雨が止んで路面が乾いていったものの、ドライタイヤで走行するマシンはなかった。

 予選開始10分前の時点では雨は降っていなかったが、サーキット上空は厚い雲が覆い、気温18度、路面温度22度というコンディションで予選がスタート。予選中の降水確率100%という発表があったこともあり、セッション開始前からピットレーンにマシンが列をなし、予選開始を待った。

 セッション開始後4分で雨が降ると報告するチームもある中で、ピット出口がオープンになり、我先にと各車がアタックへ。走行ラインはスリックタイヤで走行可能な程乾いているものの、ウエットパッチも多く、ハミルトンやマックス・フェルスタッペン(レッドブル)も挙動を乱すほど難しいコンディションだった。

 確実にタイムを残そうと各車がアタックに入り、目まぐるしくタイムシートが塗り替えられていく。ハミルトンやフェルスタッペン、ランド・ノリス(マクラーレン)、バルテリ・ボッタス(メルセデス)がトップタイムを更新していった。

 アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は、一時2番手タイムを出したものの、雨が降り出す中でターン1で挙動を乱してコースオフ。幸いマシンにダメージはなかったが、これで一旦ピットに戻った。

 雨は小康状態を保っているようで、各車が周回を重ねるにつれて路面が乾き、どんどんタイムを上げていく。一時はトップにつけていたハミルトンも10番手まで後退し、再度コースインを強いられた。

 全車がコース上でアタックを続け、最後まで誰がQ1で予選を終えるのか分からない状況だったが、結局マクラーレンのダニエル・リカルドが16番手でQ1敗退。ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)、アントニオ・ジョビナッツィ、キミ・ライコネン(共にアルファロメオ)、ニキータ・マゼピン(ハース)もここで予選を終えた。

 雨が降りながらも路面コンディションは良くなっていくという難しい展開となったが、角田は10番手でQ1突破。ハースのミック・シューマッハーも、14番手で自身2度目となる予選Q2進出を決めた。

 上位10台の決勝スタートタイヤが決まるQ2が開始されると、レースでは使いづらいとされるソフトタイヤを避け、ほとんどのマシンがミディアムタイヤでコースインしたが、角田はソフトタイヤでアタックに向かった。

 ハミルトンは最初のアタックでボッタスに次ぐ2番手タイムを出したものの、これがタイム抹消。2度目のアタックで改めて1分23秒595をマークし、タイムシートのトップに立った。

 各車が1セット目のアタックを終えたところで、角田はガスリーに次ぐ6番手につけた。苦しいのはアストンマーチンの2台。セバスチャン・ベッテル、ランス・ストロールが11番手、12番手となった。シューマッハーが13番手、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が14番手に続き、グリッド降格が決まっているカルロス・サインツJr.(フェラーリ)は走行せず15番手だ。

 Q2後半、各車が2セット目のタイヤを投入したが、ここでもほとんどのマシンがミディアムタイヤでアタックし、角田のみが引き続きソフトタイヤを履いた。

 ここ数戦好調が続いているラッセルはラストアタックで自己ベストペースを刻み、またしてもQ3進出を決めるかと思われたが、最終コーナーでコースオフしてしまい、惜しくもタイムアップならず。13番手となり、Q2で予選を終えた。

 11番手以下ベッテル、エステバン・オコン(アルピーヌ)、ラッセル、シューマッハーというオーダー。サインツJr.は最後にコースインし、チームメイトのシャルル・ルクレールに自らのスリップストリームを使わせるというサポート役に徹した。

 角田は8番手タイムをマークし、第9戦オーストリアGP以来となる自身3度目の予選Q3進出を決めた。これにより角田は、トップ10の中では唯一、決勝レースをソフトタイヤでスタートすることになった。

 12分間の予選Q3では、ハミルトンが真っ先にコースイン。ソフトタイヤの残りが1セットの角田は、まずミディアムタイヤでアタックに向かった。他にも、ルクレールやセルジオ・ペレス(レッドブル)は中古のソフトタイヤを装着した。

 すでに10グリッド降格ペナルティが決まっているため、何としても予選トップタイムが欲しいハミルトンだったが、最初のアタックは僚友のボッタスに0.022秒及ばず2番手。フェルスタッペンはボッタスから0.227秒遅れの3番手と差をつけられた。4番手にはガスリー、5番手にはペレスとホンダ勢が続き、角田は9番手だ。

 ハミルトンは残り時間5分を切ったところでいち早くコースイン。するとセクター1、2で全体ベストを更新し、1分22秒868をマーク。自らがフリー走行で記録したコースレコードをさらに更新してみせた。

 遅れてアタックに向かったボッタスやフェルスタッペンも、2度目のアタックで自己ベストこそ更新したものの、ハミルトンのタイムには届かず。ハミルトンはもう一度アタックに向かい、セクター1で全体ベストをさらに更新していたが、アタック中断。完璧な仕事をこなし、ペナルティを抱える中で最善のグリッドを手にした。

 予選2番手のボッタスが決勝のポールポジションを獲得。ハミルトンに0.328秒差をつけられた3番手のフェルスタッペンがフロントロウに並ぶことになる。予選4番手はルクレール。ガスリーは最後にルクレールに上回られ、5番手で予選を終えた。

 6番手以下はアロンソ、ペレス、ノリス、ストロール、角田というオーダー。他にペナルティがなければ、9番グリッドからスタートする角田の真後ろ、11番グリッドからハミルトンがスタートすることになる。