F1は、2022年に予定されていたFIAのスポーティングレギュレーション(競技規則)の大幅変更を断念するようだ。そのため、来季以降は現行フォーマットに必要なアップデートを加えた修正版のレギュレーションを使用することになる。

 現在の競技規則は、FIAのレースディレクターを長年務めた故チャーリー・ホワイティングを中心に、数十年に渡り組織的に推敲されてきた。

 基本的に現在の競技規則は、フリー走行からレースまで、週末のタイムラインに沿ってレース運営手順などが記載されている。ただ、全ての条項が論理的な順序で並べられているワケではないのも事実だ。

 そのため、2021年から2022年に延期されたテクニカルレギュレーション(技術規則)導入に向けた準備の一貫として、競技規則も新たに書き直すことが決定されていた。基本的には、技術規則と同じスタイルに書き換えられるということだった。

 競技規則の変更は、FIAのシングルシーター技術部門責任者でルールを知り尽くしているニコラス・トンバジスと、F1スポーティングディレクターのスティーブ・ニールセンの意見を取り入れながら、FIAが作業に当たった。

 2022年シーズンのレギュレーション初版は2019年10月にFIAのウェブサイトで正式に公開され、最新版は今年4月にアップロードされている。

 書き直された競技規則は従来版とスタイルは異なるものの、記されている内容自体はほぼ変わっておらず、新時代のF1に合わせたアップデートがいくつか追加されただけだ。

 2022年に向けた変更の詳細については、F1チームとFIA間の会議で議論が続けられている。

 ただここ数週間で、現行レギュレーションのフォーマットを引き継ぎ、2022年に向けて必要なアップデートを追加するのみに留めるべきではないかという意見が出てきているのだ。

 現行の競技規則を熟知しているF1チームとFIAは、全面的な変更に興味を示していない。その理由は、どのページに求めている答えが記載されているかを調べるため、彼らは新たにページ番号やレイアウトを憶えることになるからだ。

 また、今年7月に行なわれたイギリスGPでのスプリント予選レースの試験導入前には、現行のレギュレーションに修正を反映させるべく、かなりの作業が行なわれた。それらを新フォーマットのレギュレーションに追加するには、さらに多くの作業を強いられることになる。

 来週行なわれるF1チームとFIA間の会議では、現行フォーマットを来季も維持するという最終決定が下される予定だと言われている。そうなれば、レース週末のスケジュールや夜間外出禁止時間の変更など、2022年に向けた具体的な修正点が現行レギュレーションに追加されることになる。