F1第18戦メキシコGPがエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開幕。フリー走行2回目でトップタイムを記録したのは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だった。

 1960年〜70年代にF1やル・マン24時間レースで活躍したロドリゲス兄弟から名を取ったこのコースは、標高約2285mという高地に位置する。そのためダウンフォース発生に欠かせない空気は薄く、各チーム共にハイダウンフォース仕様のマシンパッケージを持ち込んでいる。なおも空気抵抗は少なく、2016年のメキシコGPでは、バルテリ・ボッタス(当時ウイリアムズ/現メルセデス)が最高時速372kmをマークしている。

 今回持ち込まれているタイヤは、C1〜C5の5種類のうち中間のC2〜C4の組み合わせ。また、路面にバンプはあるものの、比較的タイヤには優しいサーキットと言われている。

 FP2スタート前の気温21度、路面温度43度とFP1よりも共に上昇した。

 60分のFP2が開始されると、多くのマシンがFP1では使用していないミディアムタイヤを履いて走行を開始。FP1でソフトタイヤのみを使用していたメルセデス勢などはハードタイヤで計測ラップをスタートした。

 FP2でもコース上のダストは完全には消えず、走行ラインを外して走ると依然としてダストが舞い上がった。

 エルマノス・ロドリゲス・サーキットは狭いコースが故、多くのマシンがコース上に出ている状況でアタックを行なうと、高確率でトラフィックに遭遇する。ルイス・ハミルトン(メルセデス)は複数回に渡ってアタックを中断せざるを得なかった。予選でもトラフィックの処理がひとつカギになるだろう。

 前戦アメリカGP同様に、フリー走行と予選セッションではダブルイエロー(黃旗2本振動)が提示された区間を通過したドライバーの当該タイムは自動的に抹消される。ボッタスがターン1でロックアップしコース外へ出たことで、ハミルトンと角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)のタイムは抹消された。

 セッション開始から15分というところで、ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)にはギヤボックスのトラブルが発生。ラッセルのマシンは大掛かりな修理を必要とするようで、ラッセルはレーシングスーツを脱いだ。なおラッセルのコースイン時には、カウルを留めるネジを完全に締めることができず、そのネジが脱落するシーンが国際映像で映されていた。このアクシデントが、ギヤボックスのドラブルに影響しているかどうかは定かではない。

 エステバン・オコン(アルピーヌ)と角田は早くから2セット目に切り替え、ソフトタイヤでの走行を開始。角田はメキシコGPで4基目のICE(内燃エンジン)とTC(ターボチャージャー)、MGU-H(熱エネルギー回生システム)、MGU-K(運動エネルギー回生システム)を投入したことにより、グリッド降格ペナルティを受ける。決勝グリッド最後尾からのスタートが決定していることからか、チームメイトのピエール・ガスリーとは異なる走行プログラムを行なった格好だ。

 セッション残り35分を切ると、各車続々と2セット目のタイヤを投入しての予選想定アタックを開始。各車はタイムを上げていった。そんな中ボッタスは、ソフトタイヤでの11周目に自己ベストを更新するなど、周回を重ねるごとに路面コンディションが改善されていった。

 残り20分というところで、オコンにはトラブルが発生。オコン曰く、前戦アメリカGPで発生したトラブルと同様のモノのようだ。オコンはそのまま走行を継続できたものの、アメリカGPでアルピーヌはダブルリタイヤを喫し、コンストラクターズランキング6番手のアルファタウリ・ホンダから10ポイント差に詰め寄られているとあり、不安を感じさせるシーンとなった。

 各車は残り15分というところで、ロングランプログラムに移行。メルセデス勢はソフトタイヤ、レッドブル・ホンダ勢はミディアムタイヤを履いた。なお角田は、新品のミディアムタイヤでロングランをスタートさせている。

 ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)はミディアムタイヤで走行する中、スタジアムセクション出口で曲がりきれずストップ。FP1ではペレスとシャルル・ルクレール(フェラーリ)がリヤからウォールにマシンをヒットさせたが、ラティフィはマシンにダメージを与えるのを避けた。

 メルセデス勢はソフトタイヤで周回を重ねた後、最終盤でハードタイヤにスイッチ。FP1を含め1度もミディアムタイヤを試すことなく、初日の走行を終えた。

 60分のセッションは滞りなく終了。セッショントップタイムは、フェルスタッペンの1分17秒301。唯一平均速度で時速200km台をマークし、2番手のボッタスに0.424秒、3番手のハミルトンに0.509秒という大差をつけた。

 4番手には母国GPのセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が並び、その後ろにはアルファタウリ・ホンダ勢とフェラーリ勢が交互に並んだ。

 角田は、トップから1.343秒差、6番手のガスリーからも0.215秒落ちの1分18秒644で8番手。ボッタスに並ぶ最多周回タイの31周を走り、ミディアムタイヤでのロングランでも、多少のデグラデーション(性能劣化)はあるものの安定したラップを刻んでいた。