F1第18戦メキシコGPのフリー走行3回目が行なわれ、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)がトップタイムをマークした。

 メキシコGPの舞台となるのは、メキシコシティの標高約2285mに位置するエルマノス・ロドリゲス・サーキット。F1カレンダー中でも特に長いホームストレートを始め3本のDRS区間や、使われていなかった野球場を改装したスタジアムセクションなどが特徴のサーキットだ。その高い標高から、通常とは大きく異なるマシンセッティングが要求される。

 そして、ペレスとしては今回が母国凱旋レース。それも今回は“ウイニングマシン”に乗っての凱旋だ。サーキットの名にも刻まれているロドリゲス兄弟を始め、メキシコ人の母国優勝、表彰台はない。ペレスは母国のファンの前で勝利を飾ることに大きな野心を燃やしている。

 今回持ち込まれているタイヤは5種類のコンパウンドのうち中間のC2〜C4のセット。FP2ではバルテリ・ボッタス(メルセデス)がソフトタイヤでの走行11周目に自己ベストを更新するなど、比較的タイヤへの攻撃性は低いと言われている。

 予選前最後の調整を行なうFP3は、開始前の気温17度、路面温度35度というコンディション。現地時間午前11時にスタートした60分のセッションは、静かな出だしとなった。セッションが開始されてすぐにマシンがコースに姿を現すことはなく、多くのドライバーはガレージ内で走行に向けて粛々と準備を行なっていた。

 最初にコースに出たドライバーは角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)。メキシコGPで4基目のパワーユニット(PU)のコンポーネントを交換したことでグリッド最後尾からの決勝スタートが決まっているため、自身初体験のサーキットでのレースに向けた入念な走り込みを行なった。

 初日は路面に溜まっていたダストが舞い上がったが、FP3になると路面コンディションは改善された。ただ、路面上にはサポートレースでオイル撒かれた箇所が点在し、処理はなされているものの、角田からは「オイルでとてもスリッピーだ」とチームに無線が飛んだ。

 角田同様にPU交換によりグリッド最後尾のランス・ストロール(アストンマーチン)とランド・ノリス(マクラーレン)、金曜日のギヤボックストラブルで走行時間が削られていたジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)がコース上に姿を現した。

 セッション残り40分というところでその他のドライバーも走行を始め、ようやくコース上が賑わい始めた。ほとんどのマシンがソフトタイヤを選択し、続々とタイムを更新していった。

 マクラーレンは予選へ向け、ホームストレートでグリッド降格が決まっているノリスがダニエル・リカルドにトウ(スリップストリーム)を与える練習を実施。今シーズンはフェラーリやアルピーヌなども、こうした戦略を予選で行なってきた。

 セッション折返しを過ぎたところで、ようやくマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がコース上に姿を現した。フェルスタッペンは2017年と2018年で連勝を飾り、2019年は予選最速タイムをマークするなど、このサーキットを得意としている。

 セッション45分が経過すると、多くのドライバーは新品のソフトタイヤに履き替えて、予選想定ラップを開始し、タイムシートを塗り替えていった。

 各車はそのまま走行を続け、予選前最後のセッションが終了。トップはペレスがソフトタイヤで記録した1分17秒024。チームメイトのフェルスタッペンは0.193秒差の1分17秒217で2番手に並び、レッドブル・ホンダが1-2に並んだ。

 メルセデス勢はレッドブルに大きく水をあけられ、ハミルトンがトップのペレスから0.651秒落ちの3番手。ボッタスがそれに続いた。メルセデス勢はFP1から一度もミディアムタイヤを使わずに予選を迎えることになったため、彼らの予選・決勝でのタイヤ選択に注目が集まっている。

 5番手にはカルロス・サインツJr.(フェラーリ)。角田が1分18秒037をマークし6番手。8番手のチームメイト、ピエール・ガスリーを上回るタイムを記録した上、セッション最多周回数の25周を走り込んだ。

 なお、角田とストロール、ノリスに加えエステバン・オコン(アルピーヌ)もPU交換を決断し、グリッド最後尾からのスタートが決定。最後尾まで下がった4人のグリッドは、予選でのタイム順によって決定されることになる。

 また、FP2でレース用ギヤボックスにトラブルが発生したラッセルは、交換により決勝で5グリッド降格ペナルティが科されることになる。