元F1ドライバーで3度のル・マン24時間レース覇者である中嶋一貴が、レーシングドライバーを引退することを表明した。

 この衝撃のニュースは、12月5日に行なわれたTOYOTA GAZOO Racingの2022年体制発表の中で明らかにされた。中嶋は既にWEC(世界耐久選手権)のドライバーを勇退することを表明していたが、スーパーGT、スーパーフォーミュラといった国内カテゴリーに関しても、後進にシートを譲ることとなった。

 中嶋は日本人F1ドライバーのパイオニアである中嶋悟氏を父に持ち、父が当時校長を務めていた鈴鹿サーキットレーシングスクールではなく、フォーミュラトヨタレーシングスクールを受講。以降トヨタの育成ドライバーとして渡欧し、2007年最終戦からF1デビューを果たした。

 2009年までウイリアムズでF1を戦った後は、フォーミュラニッポン(現スーパーフォーミュラ)、スーパーGTといった国内カテゴリーに復帰。トップフォーミュラでは2度王者に輝いた。またそれと並行して、トヨタのドライバーとしてWECにも参戦し、2018年には悲願のル・マン24時間優勝を成し遂げ、以降3連覇。FIA殿堂入りも果たした。

 中嶋は2021年、コロナ禍の中でWECとスーパーフォーミュラに並行参戦。スーパーフォーミュラに関しては開幕戦と第6戦のみの出場に留まったが、10月にツインリンクもてぎで行なわれた第6戦が、結果的に日本のファンの前でその勇姿を見せた最後のレースということになった。

 また中嶋は今後、TOYOTAGAZOORacingヨーロッパ(TGR-E)の副会長職に就き、後進の育成に努めていくようだ。