レース終盤に出動したセーフティカー、そしてその後の再スタート手順がタイトル争いの行方を大きく左右したF1最終戦アブダビGP。この一連の動きによって不利な状況に追い込まれ、タイトルを逃したルイス・ハミルトン(メルセデス)は、チーム代表のトト・ウルフと共にFIAの年間表彰式を欠席したが、これに関してFIA新会長のモハメド・ベン・スレイエムが見解を述べた。

 2021年シーズンのF1でランキング2位に入ったハミルトンがFIA表彰式を欠席したことは、F1の競技規則に違反していると見られる。その第6.6条には「選手権の1位、2位、3位となった者は、FIA表彰式に出席しなければならない」と明記されているからだ。

 先の選挙でジャン・トッドに代わるFIA会長に就任したベン・スレイエムにとって、ハミルトンの授賞式欠席がレギュレーション違反にあたるかどうかを判断することは、彼の初仕事になるかもしれない。

 ベン・スレイエム会長は就任後最初の公式記者会見の場で、この件について次のように述べた。

「結局のところ、規則は規則だ」

「我々はどのような規則がどのように適用されているか、そして彼の行為が規則違反となるのかについて調べなければいけない」

「もちろん、我々も自分たちが定めた規則に従う必要がある。しかしその一方で、チャンピオンとなった者に素晴らしい気分を味わってほしいということは言うまでもない」

「人に親切にするのは簡単だ。そうすることでモチベーションを与えることもできる。しかし、何か違反があるのなら、それに関しては一切許容することができない」

 ベン・スレイエム会長はまた、ハミルトンがアブダビでの一連の出来事によって深く悲しみ、“壊れてしまった”と認めたが、FIAが理解すべき重要なことは、ハミルトンがレギュレーション違反をしたかどうかだと語った。

 ハミルトンに対し、一切の“許容”がなされないのかと改めて確認されたベン・スレイエム会長はこう語った。

「容赦という考え方は常に存在するが、規則は規則だ。我々はルールを見ているのだ」

「常々言っていることだが、規則は初めから存在していたものではなく、人間が作ったものだ。人によって改善されたり、変更されることもある」

「ルイスが今回の出来事に関してひどく悲しんでいることは理解しているし、言うなれば彼は壊れてしまった。しかし、我々は違反があったかどうかを調査しなければいけないのだ」

「今のところは何とも言えない。会長になってまだ数時間しか経っていないし、まだ事実に基づいて話をすることができていない」

 なおハミルトンの表彰式欠席に関して規則違反が認められた場合、金銭的な制裁が与えられる可能性が高いと言える。