近年のMotoGPはバレンティーノ・ロッシやホルヘ・ロレンソ、カル・クラッチローといったベテランライダーの引退が続いたが、それを補うかのように、若く才能あるライダー達が最高峰クラスで台頭してきている。

 2020年王者ジョアン・ミル(スズキ)や2021年に王者となったファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)はその最たる例と言えるだろうし、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)やホルヘ・マルティン(プラマック)、ミゲル・オリベイラ(KTM)といったライダーたちもルーキーイヤーから勝利を記録し、その力を示してきている。

 特に2021年シーズンには、ルーキーのマルティンの活躍が目立った。彼は4回ポールポジションを獲得し、1勝と3回の表彰台を記録するなど、怪我による離脱期間があったルーキーとは思えないような戦績を残している。

 こうしたルーキー達の速さに気が気でないようなのが、ドゥカティファクトリーチームのジャック・ミラーだ。彼はマルティンの才能をたたえつつ、現在のMotoGPの若く才能あるライダーがいかに速いかを説いた。

「僕はドゥカティのバイクは、どう考えても(乗るのが)簡単じゃないと思っている」

「そしてルーキー達皆が、僕をナーバスにさせてくるよ。本当にね。彼らはどんどん、どんどん速くなりつづけているからだ」

「ペッコ(バニャイヤの愛称)はルーキーのとき、セパンテストでトップになっていたよね。彼は『時間がかかっちゃった』といっていたけど、そんなに時間をかけてはいないし、何を言ってるんだという感じだ」

「そして彼らルーキー達はどんどんと、速くなり続けている」

「ホルヘは素晴らしい仕事をしていた。今年は何レースか欠場していたけど、僕がこの世界に来たときには欠いていたプロフェッショナリズムも示していたんだ」

「その点で彼は本当に素晴らしい仕事をしているし、レースの面でも素晴らしいよ」

「僕は多くのことを学ぶのにとても長い時間をかけてきたけど、彼はもっと完成されたライダーだね」

「こういった事にはナーバスにさせられるよ。バスティアニーニ(エネア・バスティアニーニ)もそうだ。僕もやったけど、1年型落ちのバイクを走らせているヤツに抜かれたとき、ドヴィツィオーゾ(アンドレア・ドヴィツィオーゾ)やペトルッチ(ダニーロ・ペトルッチ)も良い気分じゃなかっただろう。それは分かる」

「でもそういった事が、自分自身ももっと成長しようという気持ちにさせてくれる。若い奴らがああやって上手くやっているのを目にするのは、驚くべきことだからね」

 一方でバニャイヤにも驚異的な走りを見せたルーキーのマルティンについての考えを尋ねると、自身のルーキーイヤーには学んでいなかったことを吸収していると、新人への称賛を口にした。

「彼は今年良い仕事をしたと思う。良い仕事、以上のモノかもしれない」と、バニャイヤは言う。

「ルーキーとしてデビューして、2戦目には既にポールポジションと表彰台を獲得していて、オーストリアでは初優勝をマークした。ポルティマオでの怪我で何レースも欠場しているのに、だ。彼は本当に素晴らしいシーズンを過ごしたと思うよ」

「だから彼は自分のやったことを喜ぶべきだと思う」

「僕らのバイクが、ルーキーにとって一番楽なバイクとは言えないのは確かだ。でも彼は最初から凄く速く学んでいった。それは僕がルーキーのときにはできていなかった事だ」

「僕は今年が、このバイクに素晴らしいフィーリングを感じられた最初の年なんだよ」

「ああ、僕らのバイクは高い競争力がある。去年も競争力があって、時には僕も速かったけど、大体の場面で僕は後れを取っていたんだ」

「だから彼はとても強かったと思うし、バスティアニーニもルーキーとしてとても素晴らしい仕事をしたと思う」