WRC(世界ラリー選手権)に参戦するヒュンダイは、2022年シーズンに投入するニューマシン『i20 N Rally1』を発表した。

 2022年から、ハイブリッドシステムの新規定“ラリー1”が導入されるWRC。1月20日から始まる開幕戦ラリー・モンテカルロを前に、他のメーカーに先駆けて新車を正式公開したのはヒュンダイだった。

 王座奪還を目指すヒュンダイは、ティエリー・ヌービルと2019年王者のオット・タナクが全戦に出場し、3台目のエントリーをオリバー・ソルベルグとダニ・ソルドがシェアする予定だ。なお3台目に関しては、開幕戦ラリー・モンテカルロをはじめ、大半のラウンドでソルベルグが出走するものと見られている。

 ラリー1規定の導入により、トヨタ、ヒュンダイ、Mスポーツ・フォードの各メーカーは新車をゼロから設計・製作する必要があったが、ヒュンダイは2022年マシンの開発に着手した最後のメーカーであり、最終仕様のテストは昨年の11月下旬になって行なわれた。

 新規定の最も大きな変更点は、1.6Lターボの内燃エンジンに、100kWのハイブリッドユニットが組み合わさること。ドライバーは全てのステージでハイブリッドパワーを使用しなければならない。また車重は70kg増加、空力特性も15%低下する。

 アンドレア・アダモの辞任により、暫定的にチーム代表を務めるヒュンダイのスコット・ノー社長は、『i20 N Rally1』のポテンシャルに自信を持っており、次のように述べた。

「我々には3度目のマニュファクチャラーズタイトルを狙えるパッケージがあると自信を持っているし、クルーをサポートしてドライバーズタイトルやコ・ドライバーズタイトルも狙うことができると思っている」

 ヒュンダイはハイブリッド技術の課題について理解するため、昨年に何度かテストを実施。11月にフランスで行なわれたテストでは、ヌービルとコ・ドライバーのマルティン・ヴィダゲが大クラッシュを起こしたが、ヌービルは無傷で、鎖骨の負傷から回復中のヴィダゲも開幕戦には間に合う予定だ。

「ハイブリッドの新時代に突入するという技術的挑戦を我々は歓迎する」

 そう語るのは、チーム副代表でパワートレイン部門を率いるジュリアン・モンセだ。

「このステップはどのチームにとっても未知だが、それでも我々はi20 N Rally1の開発において可能な限り最高の仕事ができたと確信している」

「内燃機関とプラグインハイブリッドユニットを組み合わせ、シャシーの中で全てのコンポーネントを調和させることが目標だ」

「我々は、できるだけ多くのリアルタイムのデータを収集するために、さまざまな地形でさまざまなシナリオで車両をテストしてきた」

「10月に行われたシミュレーションテストでは、実際のラリー週末に近い体験をさせ、そこからヒュンダイi20 N Rally1のデビューに向けたチューニングをさらに進めることができた」

「ただ、マシンの性能レベルはラリーステージでライバルと戦って初めて分かるものだ」

 ヒュンダイは今後、開幕戦を前にフランスで最後の事前テストを実施する予定。なおトヨタとMスポーツ・フォードは、1月15日(土)に行なわれる公式発表会でニューマシンを正式発表するものと見られる。