2021年のF1は、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が激しく争い、最終戦アブダビGPまでタイトル決定が持ち越される接戦となっていた。

 その最終戦では、終盤に発生したクラッシュをきっかけに、セーフティカー(SC)が出動。SC先導でのレース終了もあり得るかと思われたが、残り1周でレース再開が決定され、最終ラップにフェルスタッペンがハミルトンを抜いてトップに立ち、劇的な展開で初チャンピオンに輝くこととなった。

 ハミルトンの8度目タイトルを逃す形となったメルセデスは激怒し、再開に向けた手順に問題があったとして抗議。しかしレギュレーション上、レースディレクターは他の条文を根拠に問題とされた箇所をクリアできるとされ、抗議は却下された。

 メルセデス側は上訴の構えを見せていたが、FIAがアブダビGPで何が起きたのかを調査し、2022年に向けてどういった教訓を得られるかについての詳細な分析を行なうと発表したことを受け、上訴は取り下げられることになった。

 以来、この件に関しては追加情報などは知らされてこなかった。そして1月13日、FIAはアブダビGPの調査に関して、現在進行中であることや、今後の予定に関して発表を行なった。

 それによると、本件の分析の結論は、2022年のF1開幕戦バーレーンGP初日に公表されるという。

「2021年12月15日に行なわれた世界モータースポーツ評議会の決定を受け、FIA執行部はモハメド・ベン・スレイエム(FIA会長)主導のもと、最終戦F1アブダビGPでの出来事に関して分析を開始した」

 FIAの声明にはそう記されている。

「FIA会長は本件を含めた様々な問題を、F1全チームと協議を開始した」

「1月19日のスポーツ諮問委員会では、セーフティカーの使用についてが、議題となる予定だ」

「その次の段階では、すべてのF1ドライバーと議論を共有していく予定となっている」

「詳細な分析結果は、2月にF1委員会へ提出され、最終的な結論は3月18日にバーレーンで開かれる世界モータースポーツ評議会で発表される予定だ」

「FIA会長モハメド・ベン・スレイエムはスポーツ事務局長と、新たにシングルシーター・ディレクターへ就任したピーター・ベイヤーに対して、2022年シーズンに向けてFIAのF1組織構造を見直し、最適化するための提案を求めている」

 アブダビGPの一件を巡って、ハミルトンは無線で『順位が操作されている』と不満を口にしていた。パルクフェルメでこそ取材に応えたが、その後ハミルトンはFIAの年間表彰式も欠場しており、公の場でコメントを発していない。

 トト・ウルフ代表は、ハミルトンも自身も”幻滅している”と発言し、さらに「それでもルイスがレースを続ける事を願っている」と口にしたため、ハミルトンが引退するのではないかといった憶測も広がっている。