イモラ・サーキットで行なわれるF1エミリア・ロマーニャGPの予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は黄旗振動中でもタイムを更新し、そのラップタイムでポールポジションを獲得。しかし、フェルスタッペンが審議対象となることはなかった。

 予選Q3中盤、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)は、トラブルが発生したためヴァリアンテ・アルタ(ターン16)のコース脇にマシンを止めた。

 これによりコースには危険を知らせる黄旗がセクター3に提示された。ボッタスに続いて走行していたフェルスタッペンは、黄旗振動中も当該セクターで自己ベストを更新し、そのままセッショントップタイムを記録した。

 以前は、黄旗区間を通過すると自動的にラップタイムが抹消されるケースもあった。しかし、今回はフェルスタッペンが現在のF1で認められている条件を完全に満たしていたため、彼のタイムは有効となった。

 フリー走行や予選セッションでドライバーたちは、F1レースディレクターのニールス・ウィティヒがイベントノートで定めたガイドラインに従う必要がある。ウィティヒはそこで、黄旗2本振動と黄旗1本振動では、ドライバーが取るべき行動は異なると明記している。

 イベントノートにはこう記されている。

「黄旗2本振動のマーシャリングセクターを通過するドライバーは、スピードを大幅に落とし、方向転換や停止ができる準備をする必要がある」

「スチュワードが、ドライバーがこれらの要件に従ったと判断するためには、そのドライバーが有効なラップタイムを刻む意思がなかったことが明らかである必要がある。事実上、黄旗2本振動のセクターを通過したドライバーは、そのラップタイムが削除される」

 しかしボッタスがコース脇にマシンを止めたことで提示された黄旗は1本。この場合はそれと異なる扱いとなる。

 黄旗1本振動の場合、FIAはドライバーに対して次のような行動を求めている。

「ドライバーはスピードを落とし、方向転換の準備をしなければならない。そのため、当該のマーシャリングセクターで早めにブレーキをかけたり、目に見えて速度を落としたりすることが望ましい」

 フェルスタッペンがポールラップで取った行動が上記の要件に従ったモノだったということは、彼のオンボード映像を見れば明らかだ。

 黄旗が1本振られたボッタスのマシンが止められたエリアを通過する際、フェルスタッペンはアクセルを戻しただけでなく、7速から6速へシフトダウン。インシデントを認識し、それに反応していたことになる。

 仮にボッタスのインシデントで黄旗2本振動となっていた場合、フェルスタッペンはそのラップを諦める他に選択肢はなかっただろう。

 こうしたフェルスタッペンの行動があったからこそ、レッドブル側は彼がFIAの審議対象にはなり得ないと信じて疑わなかったのだ。