フォルクスワーゲングループは、傘下のポルシェとアウディの2ブランドでのF1参入に動き出しているが、新パワーユニット(PU)レギュレーションが導入される2026年シーズンを逃せば、F1のグリッドに並ぶことはないと考えている。

 F1参入に前向きな姿勢を見せてきたフォルクスワーゲングループ。最近の公式声明の中では、参戦に向けた最終的なゴーサインは「2026年のF1の新PUレギュレーションが確定した後」に決定すると語られていた。

 そして5月2日(月)、グループCEOのヘルベルト・ディースは同社が本拠地を構えるヴォルフスブルクの近隣住民との対話を行なうYouTubeの動画でF1参戦について言及した。

 その中で、アメリカなどの主要市場でF1旋風が吹いていることや次世代PUがチャンスをもたらすこと、そしてそのチャンスは滅多に訪れないということを挙げ、2026年の参入を目指す理由を挙げた。

「F1は今、世界的にとてもポジティブな形で発展している」と彼は言う。

「そこで起きているマーケティングに加え、NetflixによってアメリカでもF1ファンが大きく増えている」

「アジアでも若いファン層を含め大きく伸びている。世界の主要なスポーツイベントやその他イベントを見てみると、モータースポーツの場合では本当にF1だけが注目されていて、差別化がますます進んでいるということだ」

「モータースポーツをやるなら、F1が一番インパクトがある。ただF1に参入するには、“技術の窓”が開かなければ入れない……つまり、参入するにはルールが変更されなければならない。全員が同じ位置からスタートするのだ」

「マーカス・デュースマン(アウディ会長/元BMW F1パワートレイン担当)が常に言ってくることだが、(F1では)中規模のサーキットでは細部の最適化で1シーズンあたり1秒は速くなる」

「しかし新規参入のチームでは、その遅れを取り戻すことはできない。トップ勢の仲間入りをするためには、5年〜10年の歳月が要求される。言い換えれば、大きなルール改正がなければ、入れないということだ」

「それが今来ている。そして2026年には合成燃料も含めPUが大幅に電動化される方向に進んでいることだろう。つまり新しいPU開発が必要で、そのためには3〜4年の歳月が必要になるのだ」

「つまり、やるか、それとも今後10年はやらないのか……F1参戦を決めるのは今なのだ。我々のふたつのプレミアムブランドは、やるのが正しいことだと考えていて、それが優先事項だ」

 ディースはフォルクスワーゲンの名前がF1に並ぶことはなく、ポルシェとアウディがそれぞれにF1のグリッドに並ぶという。

「フォルクスワーゲンは関わらない」と彼は言う。

「(F1に)フィットしないし、そのブランドとしては参加しない」