カタルニア・サーキットで行なわれたF1第6戦スペインGPで、メルセデスのルイス・ハミルトンは5位フィニッシュ。しかし彼は1周目の接触が無ければ、レッドブル勢と上位を争うことができたと主張している。

 ハミルトンが指摘した接触は、オープニングラップのターン3で発生。アウト側に位置していたケビン・マグヌッセン(ハース)と接触してしまい、タイヤにダメージを負ったことでスローダウン。ピットインを強いられ、トップからは50秒以上の遅れとなってしまった。

 当初はリタイアしてエンジンを温存したほうがいいのではないかとも、ハミルトンは無線で語っていた。しかし8位以上に戻れるチャンスがあるとチームは考え、レースは続行された。

 そしてハミルトンはレースを通じて見事な追い上げを見せ、4番手にまで挽回。最後はチームからリタイアを避けるための”リフト&コースト”の指示が飛んだ影響で、カルロス・サインツJr.(フェラーリ)に先行を許し5位となった。

 ハミルトンはスペインGPでメルセデスが導入したアップデートによって、「レースペースがより良くなり、ロングランでのフィーリングも大きく改善された」と説明。問題なくレースが進んでいれば、今回ワンツーフィニッシュを果たしたレッドブルとも戦えたと考えている。

「これは僕らが正しい方向に進んでいるという、素晴らしい兆候だ」と、ハミルトンは語る。

「今日、もしもあの事(1周目の接触)が無ければ、僕はレッドブル勢と戦えていただろう。だからいずれそうなる(再び勝利を争える)ことに疑いはない」

「この先勝利を争えることになるだろう……この事が僕に素晴らしい希望をもたらしてくれるんだ」

 なおハミルトンはチームが僚友ジョージ・ラッセルのマシンで“ある実験”を行なっており、それが予選で上手く機能したと付け加えており、次戦モナコGPでは自身もそれを引き継ぐだろうと語った。

 第3スティントでハミルトンは猛チャージをかけ、エステバン・オコン(アルピーヌ)、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、サインツJr.らを次々とオーバーテイクしていた。彼はこの一連のチャージが「まるで勝利のようだ」と感じており、「あれだけ後方から進んできて追い上げるのは、勝利よりもいい気分だ」と語った

 今回のレース前日、ハミルトンはパドック内を移動するロボットにより遠隔地からF1を体験できる試験的な試みの一環で、病状が厳しい小児患者と交流する機会があった。ハミルトンはその子供との会話が、鼓舞になったと明かした。

「結局、このレースではかなりの逆境に置かれていた。あれだけ後ろからのスタートになったからね」

「昨日、僕はある少女と話をする機会があって、彼女のことが僕を鼓舞してくれた。彼女……イサラは5歳の子なんだけど、病状が末期で、僕に”明日のレースで勝てる?”と聞いていた」

「レースで勝てるかは分からないけど、全力を尽くすと答えたんだ。だから、今回のこと(追い上げ)はちょっとした勝利のようなものだし、彼女に捧げたいと思う」