今シーズン、メルセデスは難しいスタートを切ったが、アップデートを持ち込んだF1第6戦スペインGPでペースが一変。ジョージ・ラッセルが3位、ルイス・ハミルトンが5位となった。

 ラッセルはレッドブル勢とバトルを繰り広げながら表彰台を獲得。ハミルトンは1周目の接触で最後尾近くまで後退しながらも、5位に入る力強いレースを見せた。

 チーム代表のトト・ウルフは、メルセデスがスペインGPで最も速いパッケージを持っていたと示唆し、近年圧倒的な強さでタイトルを獲得してきた、かつての姿を取り戻しつつあると考えているようだ。

「彼がドライブしていたレースカーは、まるでチャンピオンシップを勝つクルマのようだった。それは過去数戦では不可能だったことだ」

 ハミルトンのレースについて、ウルフはそう語った。

「昨年や一昨年の、クルマが最高の状態にあるときのことを思い出したよ」

 メルセデスがフェラーリとレッドブルが繰り広げているチャンピオンシップ争いに食い込むことができると考えているのかと尋ねられたウルフは、次のように答えた。

「今日のレースカーは、昨シーズンのレースカーを思い起こさせるものだった。 30秒以上遅れていたのに、一気に前に出て表彰台の近くまで行ったんだ」

「それはとても心強いことで、我々がまた一歩前進したことを示している」

「チャンピオンシップを戦えるかどうか? そうだね、我々はできるという方に賭ける。だが、1位と2位を獲得できるマシンが必要なんだ。私は、そこに我々が到達できると信じるだけの理由があると思う」

「確率を見れば、我々は不利だ。しかし、モーターレースは確率とは別のゲームだ。今日、フェラーリがポイントを獲得するはずだったのに、あまり獲得できていないのを目の当たりにした。我々は、そのゲームに戻るために全力でプッシュしているんだ」

 ドライバーズランキングでは、スペインGPでポイントリーダーとなったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に対し、ラッセルが36ポイント差、ハミルトンが64ポイント差となっている。

 コンストラクターズランキングでは、トップのレッドブルに対し、メルセデスは75ポイント差の3番手。2番手のフェラーリとは49ポイント差だ。

 ウルフは、マシンの改良によって上位2チームとの差が完全になくなったわけではないとしながらも、その差は劇的に縮まっていると考えている。

「このレギュレーションである意味、我々は不意をつかれた。そして、マシンのパフォーマンスを取り戻すために何をすべきかを一歩ずつ理解しているんだ」と、ウルフは語った。

「今週末も大きな一歩を踏み出し、上位陣に対するディスアドバンテージを半減させることができたと思う。でもこの先、もっともっと上位を狙えるはずだ」

「ジョージと3位を獲得できたことも大きい。彼のドライビングは信じられないほど素晴らしく、ディフェンスもポジショニングも良かった。とても誇りに思うし、うれしい」

 次戦モナコGPは、コースの特性上ポーパシングは発生しづらく、メルセデスも戦えると予想されているレースだ。もしその後のアゼルバイジャンGP、カナダGPでスペインGPと同じレベルの競争力を発揮できれば、フェラーリやレッドブルにとって脅威となってくるだろう。