昨シーズンマクラーレンに加入して以降、ダニエル・リカルドは一貫した速さを発揮できていない。契約満了を待たずに放出という噂も出る中でも、チームはリカルドの再起を信じてサポートを続けている。

 12ヵ月前の5月末、モナコGPでマクラーレンのダニエル・リカルドは新加入のチームで流れを掴むべく戦いを続けていた。リカルドは、表彰台の3番手に向けて快調に飛ばすチームメイトのランド・ノリスに周回遅れにされた。「チームメイトに同情はしない」というノリスの姿勢とふたりの溝は、F1ドキュメンタリー『Drive to Survive』の最新シリーズでも情け容赦なく描かれていた。

 当時、加入直後のリカルドはマクラーレンチームやそのマシンに慣れることを目標としていた。その後もノリスのパフォーマンスに及ばないレースが続いたが、イタリアGPではマクラーレンに9年ぶりの勝利を届けた。レース後の無線では「僕はまだ終わっていない」と語り、それまでの批判に結果で答えた。

 新レギュレーション下のマシンで迎える加入2年目では、ようやく切れのあるリカルドが見られるのではないかと期待も高まった。

 しかし、2022年シーズンが3分の1を終えた時点でも期待は現実にはなっていない。第7戦モナコGPでも予選14番手、決勝13位と苦戦を強いられた。

 モナコGPで苦しんだリカルドと、対象的に6位入賞を果たしたノリス。昨年に似た構図ではあるが、その受け取られ方は大きく異なるように感じられた。

 リカルドはもはやチームに慣れている段階としてではなく、経験豊富ながらも期待通りのパフォーマンスが発揮できていないドライバーとして目されているのだ。

 そのチームからの失望も目に見えてくるように……いや、不満を隠さなくなってきたとも言うべきだろうか。

 モナコGPの週末に先立ち、マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、リカルドがチームからの期待に応えられていないと公然と批判。リカルドはそれに対して「自分以上に厳しい人はいない」と同意した一方で、2023年末までドライバー契約は残っていると牽制した。ただ、ブラウンは契約満了までに早期解消が可能な”仕組み”はあるとも示唆している。

 リカルドがモナコGP終了時点でポイントを獲得したのは、オーストラリアGPの6位と、エミリア・ロマーニャGPスプリントでの6番手の2度。エミリア・ロマーニャGPの決勝レースでは、1周目にカルロス・サインツJr.(フェラーリ)と接触して無得点となっており、獲得ポイントは11点に留まっている。

 マクラーレン自体は開幕戦バーレーンGPこそ苦戦したものの、ノリスはエミリア・ロマーニャGPで3位表彰台。その他でも入賞を積み重ね、リカルドの4倍以上の計48点を手にしている。