2022年インディカー・シリーズ第7戦デトロイトの決勝レースが行なわれた。優勝を飾ったのはウィル・パワー(チーム・ペンスキー)で、今季初勝利となった。

 上位陣だけ2列で隊列を組んむという少々奇妙な状況ながら70周の決勝レースはスタート。ポールスタートのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)はトップの座をキープし、2番手にはシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)、3番手にはエリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク・レーシング)が続いた。2番手スタートだった佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング with RWR)は4番手にポジションを落とした。

 レースは序盤から動きがあった。11番手スタートのアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が4周目に早くもピットインし、オルタネイトタイヤ(レッドタイヤ)からプライマリータイヤ(ブラックタイヤ)に交換。3ストップ作戦を敢行することとなった。

 このように早めにピットインするドライバーも出る中、16番手スタートのパワーはブラックタイヤで引っ張る作戦を採ったが、これが成功。レッドタイヤの扱いに苦しむライバルたちを交わし、5周目にはトップ10入りを果たすなどじわじわとポジションを上げていた。パワー、そして彼と同じ作戦だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)は首位を走っていたニューガーデンまでも交わし、トップ3を形成した。

 パワーは25周目まで引っ張ってピットイン。再びブラックタイヤを履いて、トップの座を守った。一方でディクソンとパロウはその次の周に入り、摩耗の厳しいレッドタイヤに交換した。

 パワーが快調にリードを広げる中、レッドタイヤで踏ん張るディクソンとパロウの背後にロッシが迫る。このタイミングで既に2回のピットストップを終えていたロッシは、39周目のターン3でパロウを、43周目のターン3でディクソンを攻略して2番手となった。

 この時、首位パワーと2番手ロッシの差は18秒あった。しかし、パワーは最後のスティントでレッドタイヤを履かなければいけないことが確定している一方で、ロッシは既にレッドタイヤの使用義務を満たしており、流れはロッシに傾いていた。

 ロッシはトラフィックに巻き込まれた47周目に3回目のピットイン。もちろん履いたタイヤはブラックタイヤで、ディクソンの前、実質的な2番手でコースに戻ることができた。

 そしてパワーは51周目にピットへ。この時点で44秒あったロッシに対するリードは、ピットアウト後に16秒に。そして残り12周で11.7秒、残り7周で10秒、残り4周で8秒、残り2周で5秒……じわじわとその差が縮まっていった。

 パワーが2.5秒リードした状態でファイナルラップを迎え、ロッシはさらに差を詰めたが、最終的にはあと1秒届かず。パワーが今季初勝利を挙げた。2位はロッシ、3位はディクソンだった。2番グリッドという好位置からスタートした佐藤だったが、序盤のレッドタイヤでのペースに苦しんだ結果、想定外の3ストップを強いられるなど噛み合わず13位に終わった。