2022年のF1は新しいテクニカルレギュレーションが導入され、マシンのコンセプトが一新された。しかしそんな状況でも従来のトップチームが依然として強さを維持していることについて、アルファタウリのピエール・ガスリーは「少し悲しい」と語った。

 昨年までのF1マシンは、前後のウイングなどマシンの上面で大きなダウンフォースを発生していた。しかし今季はテクニカルレギュレーションが一新されたことで、フロア下でダウンフォースの大部分を発生するよう、コンセプトから大変更されることとなった。

 このレギュレーション変更により、チーム間のパフォーマンス差が小さくなることが期待されていた。しかし依然として従来のトップチームが強さを発揮しており、ここまでの7戦の全てでフェラーリもしくはレッドブルが勝利。中団グループのチームは、上位に近づくのに苦労している。

 ガスリーは2022年シーズンに向け、チーム間の差が近付くことを期待していたという。確かに中団グループは混戦になっているものの、その一方でビッグチームはまだまだ手の届かないところにいるということに失望したという。

「4番目のチームから最後尾までを見れば、かなり接近していると思う。でも、上位3チームは別の世界だ」

 ガスリーはそう語った。

「昨年は、何度も興奮することがあった。フェラーリ……時にはレッドブルやメルセデスを凌駕することもできたからね。確かにこの3チームがトップ3を形成していた。でも、時々彼らに挑むことができた。それほど違う世界ではなかったはずだ」

「今年は太刀打ちできない。間違いなく、大きな一歩を踏み出したよ。ボッタス(バルテリ・ボッタス/アルファロメオ)だけが、時々彼らに挑むことができる。目標は明らかに、チーム間の差を縮めることだったはずだ。でも、僕らは文字通り、7番目を争うだけになっている。これは少し悲しいことだ」

 ただ昨シーズンから、各チームの年間予算額の上限額も導入された。これによって、最終的には大規模チームのアドバンテージも徐々に薄れていくと予想されている。

 ガスリーは、レギュレーションが”成熟”していくことで、マシンよりもドライバーの腕で、結果に”大きな影響”を与えることができるようになることを期待していると語った。

「今は、フェラーリやレッドブルをドライブしていれば、コーナーひとつで失敗したとしても、予選でトップ6に入ることができるだろう。たとえそれ以外のマシンを駆るドライバーが、完璧なラップを走ったとしてもね」

 そうガスリーは言う。

「ミスをすれば、最後尾になってしまう……そういう状況になるべきだ。これまではずっとそんな感じだった」

「このレギュレーションにより、そういう面が少しクローズアップされるといいね」

 今季トップ3チーム以外で表彰台を獲得したのは、エミリア・ロマーニャGPのランド・ノリス(マクラーレン)のみである。

 マクラーレンのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルは「今シーズンは昨年に比べて一歩前進し、前を行くマシンに少し近付いた」とガスリーの意見に反論した。

「レギュレーションの観点から言えば、技術面でそれが効果を発揮するまでには、まだ少し時間がかかる。しかし予算上限の面でも、公平な戦いの場を作り出している」

 ザイドル代表はそう語った。

「完全な効果を確認するという点では、もう少し時間が必要だ。チャンピオンシップで我々の前を走っているチームは、すでに組織を作り上げ、インフラも何年も前から構築していたんだ。そのことを忘れてはいけない」

「彼らは、そのインフラを最大限に活用することに集中している。彼らは、人材の才能という面でも、確立された組織だ。彼らはまだ、その面で恩恵を受けている。だから彼らは並外れた仕事を続けている……我々よりも優れた仕事をし続けているんだ」