アゼルバイジャンの首都バクーの市街地サーキットを舞台に、F1第8戦アゼルバイジャンGPの決勝レースが行なわれ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が勝利を挙げた。

 週末を通して天気に恵まれたアゼルバイジャンGP。シャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得した予選日から続いて、日曜日の決勝レース前の気温は25度、路面温度は48度と温かいコンディションだった。

 多くのドライバーがスタートタイヤにミディアムタイヤを選択。9番手セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は1周皮むきを行なったミディアムを履いた。

 12番手ダニエル・リカルド(マクラーレン)以下のドライバーではハードタイヤを選択するドライバーもいた。

 全51周の決勝レースの火蓋が切られると、2番手フロントロウからセルジオ・ペレス(レッドブル)がターン1に向け好スタート。イン側からルクレールを交わしトップに立った。

 2番手ルクレール、3番手にフェルスタッペン、4番手にカルロス・サインツJr.(フェラーリ)というオーダー。8番手スタートの角田裕毅はベッテルに交わされ、9番手で1周目を終えた。

 ペレスは快調に飛ばし、レース6周目の時点で2秒のマージンを築いた。ルクレールはストレートでフェルスタッペンに接近を許すも、コーナーでの速さを活かして2番手を守った。

 一方でトップ3についていくことはできなかったサインツJr.のマシンには、油圧系のトラブルが発生。ターン4でマシンを止め、今季3度目のリタイアとなった。

 これによりレース10周目にバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入。レッドブル勢などがピットに入らなかった一方で、2番手ルクレールやメルセデス勢、アルファタウリ勢などがピットに飛び込みハードタイヤへ履き替えた。ルクレールはピットロスを最小限に抑え、3番手でコースに復帰した。

 VSCが解除されると、レッドブル勢に対してルクレールが1周1秒以上速いペースで追い上げていく。ペレスのペースが思うように伸びないためか、レース15周目のターン1で1秒以内に迫っていたフェルスタッペンと順位を入れ替えた。

 レッドブルは16周目の終わりにペレスをピットに呼び込んだ。ピットストップでの遅れもあり、ペレスはラッセルの目の前3番手でコースに合流した。フェルスタッペンも18周目の終わりにピットでハードタイヤに交換し、ルクレールの13秒後ろでコース復帰。レッドブルはVSC中にピットインしなかったことで、トップの座をルクレールに明け渡した形だ。

 前戦モナコGPで手からこぼれ落ちた勝利に向けて、ルクレールは順風満帆かと思われたが、20周目のターン19でエンジンブロー。スペインGPに続いて、またもパワーユニット(PU)トラブルによって勝利を失った。

 フェラーリが自滅したことで、一時は首位を明け渡したレッドブルが1−2体制。表彰台圏内の3番手にはジョージ・ラッセル(メルセデス)が浮上した。

 レース折り返しを越えた26周目の時点では、4番手にピエール・ガスリー(アルファタウリ)。スタートからハードタイヤで走り続けていたリカルドを交わしたルイス・ハミルトン(メルセデス)が5番手。角田も自己ベストタイムをマークしながら、7番手でリカルドを追った。

 33周目、11番手のケビン・マグヌッセン(ハース)はトップ10入りを目指し、エステバン・オコン(アルピーヌ)の後方につけたが、マシントラブルが発生。 ウォールの切れ間にマシンを止めたが、これにより34周目にレース2度目のVSC導入となった。

 上位勢では、レッドブル勢やメルセデス勢が2度目のピットインでハードタイヤを新品に交換。アルファタウリ勢がステイアウトを選択した一方で、ここまで第1スティントを引っ張ってきたリカルドやオコンなどはここでピットに飛び込んだ。

 これにより角田は5番手に浮上したが、VSC明けにタイヤがフレッシュなハミルトンに先行を許してしまう。 加えて角田のリヤウイングはフラップ中央に亀裂が発生し、DRSが半分しか開かない状態に。ピットで修理を指示するオレンジボール旗が角田に振られ、40周目の終わりに泣く泣くピットイン。アルファタウリはダクトテープでリヤウイングのフラップを補修、角田は走行を続けたが13番手に順位を下げた上、DRSが使えないという厳しい状況に追い込まれた。

 上位に目を移すと、フェルスタッペンはペースをコントロールしながらペレスに20秒程度のギャップを開いて首位をキープ。そのまま悠々とトップチェッカーを受けた。

 今季5勝目を挙げたフェルスタッペンは、ドライバーズランキングで独走状態に。ファステストラップのボーナスポイントを獲得したペレスも2位でレースを終えたことで、リタイアに終わったルクレールを交わしてランキング2番手に浮上。コンストラクターズランキングでは5連勝のレッドブルがフェラーリに対して、大差をつけている。

 3位表彰台にはラッセルが今季3度目の表彰台。トップ勢が崩れた好機を掴み取り、一貫した速さを見せつけた。ランキング上でも、ラッセルはルクレールと17ポイント差のランキング4番手となっている。

 ハミルトンは4位。レース中にはマシンの振動による脊中の痛みを訴え、パルクフェルメでマシンを降りる際に痛がる素振りを見せた。

 その後ろ5位にガスリー。終盤ハミルトンには交わされたものの、大量ポイントをチームに持ち帰った。

 6位にはベッテル、7位にフェルナンド・アロンソとベテラン勢も入賞。マクラーレンはチームオーダーによる無線での”イザコザ”もあったものの、リカルドが8位、ノリスが9位でフィニッシュ。10位の1ポイントはオコンが掴んだ。

 なお、トラブルによって沈んだ角田は、ユーズドのソフトタイヤで最終スティントを走ったが、DRSが使えないことから、12番手アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)を抜ききれずそのまま13位でチェッカーとなった。