第90回ル・マン24時間レースは、トヨタがワンツーフィニッシュを達成した。グリッケンハウスは、709号車が5周遅れの3位。708号車は10周遅れの4位に終わった。

 アルピーヌの36号車が、決勝前のBoP(性能調整)で最大出力が削られたこともあり、トヨタに対抗できる唯一のチームとなっていたグリッケンハウスだが、ロマン・デュマやピポ・デラー二、オリビエ・プラが乗る708号車はレースの大半で本来のペースを発揮できていなかったという。

「僕たちの場合、夜中からエンジンのミスファイアに悩まされていた」

 そうプラはmotorsport.comに語った。

「問題ない時もあったし、大きくタイムロスしていた時もあった」

「エンジンの問題ではなく、センサーに問題があったんだ。エンジンとシャシーの間にセンサーがあり、レース中に修正することは不可能だった」

「ジム(グリッケンハウス/チームオーナー)と、マシンを開発したポディウム(アドバンスド・テクノロジー)のために完走しようとしたんだ。彼らは素晴らしい仕事をしてくれた。最終的には表彰台に上りたかったが、709号車が上がったからハッピーだ。彼らは素晴らしい仕事をしたし、グリッケンハウスにとっても良いことだ」

 708号車は、レース開始からしばらくトヨタと同一ラップを維持していたが、7時間30分経過後にプラがアウトラップでスピン。マシン修復のためにガレージに入り、勝負権を失った。

「僕がミスをした」と、プラはクラッシュの責任を認めた。

「燃料を積んで、冷えたタイヤでピットを出て、テルトル・ルージュの出口でマシンのコントロールを失ったんだ。僕のせいだ」

「最後はイン側のウォールに接触してしまった」

 結果的に3位でフィニッシュした709号車は、センサーの問題を解決するために早々にガレージイン。レース開始から2時間経たずに優勝争いから離脱していた。

 グリッケンハウスがトヨタに対抗できると考えていたかと問われたプラは、次のように答えた。

「ああ、エンジンに問題が出るまではね」

「ペースは見ての通り……トヨタと戦おうとしたわけではなく、自分たちのペースを維持しようとしたんだ。そして実際、クルマはとても良かった」

「ハイパーポールでは、僕のマシンにちょっとした問題があって、期待していたようなラップタイムは出せなかったけど、チームがその問題を解決してくれたので、レース序盤はとてもいい状態だったんだ」