F1ドライバーたちは、予選で黄旗・赤旗の原因をつくったドライバーにペナルティを科すという案を支持している。

 アゼルバイジャンGPの予選Q1では、セッション終盤にフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がターン15でコース外の退避エリアへ。これにより黄旗がコース上に提示され、彼を上回る可能性があった後続ドライバーはタイムを更新することができなくなった。

 アロンソの直後を走っていたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は、アロンソがライバルのタイム更新をできないよう意図的にコースを逸脱したと語っていた。

 予選終盤に黄旗・赤旗が提示されることで、タイム更新が”台無し”になったケースはこれまでも市街地コースではよく起こってきたことだ。

 2006年のモナコGPではミハエル・シューマッハーがラスカスでストップ。当時シューマッハーとタイトル争いを繰り広げていたアロンソはこれによりタイム更新が叶わず、スチュワードもこの行為は故意だったと判断し、トップタイムをマークしていたシューマッハーは予選から除外された。

 2014年のモナコGPでも同様のケースが発生し、ニコ・ロズベルグがミラボーでコースオフ。チームメイトのルイス・ハミルトンのアタックは中断を余儀なくされたが、ロズベルグにはペナルティが科されなかった。

 今年の予選でも、セルジオ・ペレス(レッドブル)がスピンを喫し、避けきれなかったカルロス・サインツJr.(フェラーリ)が衝突し赤旗が提示された。続けてアタックしていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、赤旗原因となったドライバーにペナルティを科すべきだと示唆していた。

 アゼルバイジャンGPの予選でのアロンソの行動に関しては、FIAのレーススチュワードは非公式ながらも調査を実施。アロンソ、そしてアルピーヌのスポーティングディレクターのアラン・パーメインが、日曜日の朝にレースコントロールを出るところを目撃されている。また、チーム代表であるオットマー・サフナウアーもスチュワードのもとを訪れていた。

 スチュワードはアロンソに対してペナルティを与えなかったが、今後に向けて改善策を検討するに至ったようだ。

 F1国際競技規則にも退避エリアやランオフエリアへの進入に関する条文は記載されている。第33条3項には次のようにある。

「ドライバーは常にコースを使用するためにあらゆる適切な努力をしなくてはならず、正当な理由なくしてコースを逸脱してはならない」

 走行マナーに関するFIA国際スポーティングコードLの第4章2条Cにも同様の条文がある。

「ドライバーは常にコースを使用しなければならず、正当な理由なくしてコースを逸脱してはならない」

 スチュワードは、ドライバーがそのレギュレーションに抵触したとみなした場合、そのドライバーが記録したラップタイムの一部または全てを抹消できる裁量権を持っている。

 FIAスチュワードとF1レースディレクターが再発防止に向けて動き出すことが決まれば、次戦カナダGPの金曜日に行なわれる定例ブリーフィングで、アロンソがアゼルバイジャンGPで取ったような行動はペナルティが科される可能性があると注意喚起が行なわれるだろう。

 故意による妨害行為やそう受け止められる行動を止める手段を論じる以外にも、今年のモナコGPのような実際のアクシデントについてどう裁定を下すべきかについてはさらなる検討が必要になるだろう。

 予選で黄旗・赤旗原因となったドライバーに対するペナルティ付与は、F1以外のカテゴリーでは珍しいモノではない。インディカー・シリーズの場合、オーバル以外では黄旗原因となった時点でベストラップ抹消。赤旗原因となった場合はベスト2ラップが抹消され、次のセグメントへの進出はできなくなる。