第8戦アゼルバイジャンGPの決勝レースで、パワーユニット(PU)のトラブルに見舞われリタイアしたフェラーリのシャルル・ルクレール。第9戦カナダGPを前にチームはそのPUが「修理不可能」な状態にあると発表した。

 ルクレールはアゼルバイジャンGPの予選で今季6度目のポールポジションを獲得し、決勝レースではスタートで首位を明け渡すも、その後のバーチャル・セーフティカー出動の機会を活かして首位奪還。後続に13秒のマージンを保ってレースをリードしていた。

 しかし、ルクレールのPUは音を上げリタイア。彼が無得点に終わった一方で、ここまでドライバーズランキング首位を争ってきたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が勝利を挙げた。

 ルクレールは第6戦スペインGPでも首位走行中にPUトラブルでリタイアを喫しており、それによりターボチャージャー(TC)と熱エネルギー回生システム(MGU-H)を喪失。内燃エンジン(ICE)は続投可能と判断され、アゼルバイジャンGPでは整備を受けたそのICEを使用し、新旧入り乱れたコンポーネント構成のPUで走行していた。

 しかしフェラーリは、続投可能と判断されたコンポーネント類がアゼルバイジャンGPでトラブルを引き起こした可能性を示唆している。

 フェラーリの声明にはこうある。

「シャルルのバクーでのPUが修理不可能だということが調査で分かった」

「トラブルの原因として考えられているのが、スペインで起きたPUトラブルの影響として発生したというモノだ」

「我々は現在、パッケージを強化するための対策に取り組んでいるが、状況はコントロールできている」

 アゼルバイジャンGPでのリタイアにより、ルクレールはランキング首位のフェルスタッペンに34ポイント差をつけられており、タイトルに向けて1ポイントも逃せない状況となってきた。

 しかし再びPUを失ったことで、ルクレールは規定数を越えるPUコンポーネント投入によるグリッド降格ペナルティを受けることを余儀なくされる可能性も高い。

 フェラーリは第5戦マイアミGPで信頼性向上を目的としたPUの仕様変更を行なっているが、その”スペック2”のPU投入や上記のコンポーネント喪失もあり、ルクレールはカナダGP前の段階で既に規定数上限となる3基目のTCを投入している。

 ルクレールはカナダGPまでに、年間3基までとされているICEを2基、TCを3基、MGU-Kを2基、MGU-Hを2基投入している。

 年間2基までと定められているエナジーストアとコントロールエレクトロニクスはまだ1基目だった。なお、年間8基までのエキゾーストシステムは4基を既に投入している。

 ルクレールはカナダGPを前に次のように語っている。

「明らかに、僕らはベストな状況にある訳ではない」

 グリッド降格の可能性について尋ねると彼はこう続けた。

「今のところ、何も決まっていない。でもそうだね……ベストなポジションとは言えないよ」

 長いストレートを持つアゼルバイジャンGPのバクー市街地サーキットでは、低ドラッグのレッドブルのシャシーとレッドブル・パワートレインズ印の”ホンダ製”PUが威力を発揮した。同じく長い直線を持つカナダGPのジル・ビルヌーブ・サーキットは、レッドブル優勢と見込まれているものの、ルクレールはオーバーテイクは可能だとして巻き返しを期待している。

「ペナルティを受けるとして、どのサーキットで受けるのが最良かを選ぶのは僕ら次第だ」と彼は言う。

「ここはかなりオーバーテイクしやすいサーキットのひとつだけど、続く3〜4戦でもオーバーテイクが容易なサーキットがある」

「だから僕らは話し合って、そこからベストな判断を下そうと思っている」