F1アゼルバイジャンGPで多くのドライバーがマシンの振動に苦しめられたことを受けて、FIAがポーパシングの抑制に向けて動き出したが、フェラーリのシャルル・ルクレールは納得がいかないようだ。

 FIAはカナダGPを前に新たな技術指令を出し、チームに今後の行動計画を示した。カナダではデータを収集し、垂直方向の加速度と振動に対する最大許容値を算出。今後の対策につなげると共に、フロアの強度を上げることを可能にする微調整をチームに許可した。

 この変更が勢力図に与える影響や、今後FIAがセットアップに関して課す可能性のある制限は今のところ不明だが、ポーパシングが少ないチームはその悪影響を被る可能性があることに歓迎していないようだ。

 特にルクレールは、他のチームが問題を把握できていないために、フェラーリが問題解決に取り組んで得たアドバンテージを失うかもしれないということに苛立ちを見せている。

 フェラーリは比較的マシンの振動が大きいチームだが、それによってパフォーマンスが損なわれているようには見えない。一方でライバルであるレッドブルはマシンの振動が少なく、ルールが調整されても悪影響を受けない可能性もある。

 FIAの関与について尋ねられたルクレールは、motorsport.comに次のように答えた。

「ジョージ(ポーパシング抑制を訴えているジョージ・ラッセル)の言い分も当然理解できる。バクーの後、彼とルイスがクルマから降りるのを見たとき、とてもひどい状態だったからね」

「ルイスが今、どんな苦痛を味わっているか、おそらく予想できるだろう。そして、それは受け入れがたいことなんだ」

「でも一方で、ここ数ヵ月チームが実際に問題を克服ために行なってきた作業の量を過小評価することはできない。それは、このクルマを最初に試したときから、僕らの最優先事項だった」

「その改善はとても大きかったと思う。そしてその仕事は完了したんだ。他よりも苦労しているチームがひとつあるからといって、それをゴミ箱にいれることになる」

「これは僕の見解だ。メルセデスがとても悪いということは当然理解しているけど、修正が必要なこともあると思っている」

 一方、FIAの介入を求めていたラッセルは、今回の措置でチームの競争力が失われると考えるのは時期尚早だと説明する。

「結局のところ、FIAはルールメーカーであり、彼らが望めばどんなレギュレーション変更も持ち込むことができる」と彼は言う。

「それが自分たちのパフォーマンスを向上させるのか、それとも悪影響を及ぼすのかは、ここにいる誰にもわからない。だから、どうなるか見てみる必要がある」

「このクルマには様々な要素や側面があるから、車高を上げたからといって必ずしもそれを減らしたり、取り除いたりするわけではないんだ。ポーパシングとボトミングは別の問題であり、その間にあることなんだ」

「誰にとっても運転しやすくなり、パフォーマンスにも影響を及ばないことを願っている」