メルセデスのトト・ウルフ代表は、FIAがポーパシング抑制に乗り出したことで、安全性を犠牲にしてでもパフォーマンスを追求する”自分たち”から身を守ることができると語った。

 カナダGPの走行開始を前にした木曜日、FIAは安全上の理由から”許容可能な縦揺れレベル ”を設定するつもりであることを明記した技術指令を出した。これによりメルセデスは、少なくともいくつかのサーキットで車高を上げ、パフォーマンスを犠牲にせざるを得なくなる可能性がある。

 ウルフはチームがこの問題に確実に対処し、ドライバーの身体を守ることを義務づける方法として、この取り組みを歓迎している。

「F1では、時に自分たちから守る必要があると思う」と、ウルフはmotorsport.comに語った。

「誰もがパフォーマンスを追求している。そして多くのチームが予算制限に抗おうとして、自分たちの目的とは反しているレギュレーションと戦おうとしてきた」

「70年代や80年代のグラウンドエフェクト・カーがそうであったように、今のクルマにもポーパシングが起きている。そしてチームによって、その程度が酷かったりそうではなかったりする」

「だが実際のところ、ドライバーには健康上の問題が起きている。それが、チームの判断に任せるわけにはいかない理由だ。これまで痛みや視界不良を訴えてきたドライバーたちが、突然そのことを口にしなくなったことも、すでに目の当たりにしている。それが、全てのチームがレギュレーション変更によって、保護されなければならないことを示している」

 ウルフは、FIAが定めたルールによって車高を上げざるを得なくなったとしても、問題に対処するのはチームの責任だと強調した。

「それは大局的な話だ。もし我々全員がそれを解決できるとしたら、そういう状況になった方がいいと思う。我々は皆、ドライバーに対して責任があると思うんだ」

「これは、自分たちが有利だと思うからと言って、チームが変更に反対するような領域ではない。グラウンドエフェクトの問題なんだ」

「問題が発生していないトップチームの中でも、セルジオ(ペレス/レッドブル)などがメディアに発言してきた。痛みを感じていないドライバーは誰もいない。つまりこれは、健康上の問題なのだ。FIAが必要なステップを踏み、強力に対処することを願っている」

 ウルフ代表は、FIAが安全上の理由から、問題に対処したのは正しいことだったと信じている。

「我々は自分たちに対して正直である必要があると思う。オーバーテイクしやすく、素晴らしいショーを展開できるマシンを走らせようとしているが、現時点ではドライバーの安全面にリスクが生じている。一般的な安全上のリスクだ。ある段階では、非常に、非常に醜い変化を目にすることもあるんだ」