ザクセンリンクでMotoGP第10戦ドイツGPの決勝レースが行なわれた。優勝はヤマハのファビオ・クアルタラロで、今シーズン3勝目となった。

 ドイツGP決勝レースは全30周と長丁場。レースウィークを通して厳しい暑さとなったこともあり、先頭に立つことが重要になると、ライダーたちは予想していた。

 実際、MotoGPクラスの決勝スタート時には気温35℃、路面温度も50℃を超えており、灼熱のコンディションとなった。

 スタートではポールシッターのフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)、2番グリッドのファビオ・クアルタラロが横並びでターン1へ突入。ターン2でクアルタラロが前に出て、バニャイヤ、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)、ヨハン・ザルコ(プラマック)と続いていった。

 クアルタラロとバニャイヤは一瞬接触する場面もあるなど、ポジションを巡って激しい鍔迫り合いを展開。ここではクアルタラロが抑えきり、そのままペースを上げ始めた。

 そして4周目、クアルタラロを追っていたバニャイヤがターン1で転倒。彼としても予想外の転倒だったようで、両手をあげるジェスチャーを示していた。なおターン1ではジョアン・ミル(スズキ)も同じく転倒を喫している。

 ライバルの転倒により、クアルタラロは2番手のザルコ以下との間に1秒以上のギャップを確保することができ、レースの展開は一気に有利な状況へ変化。2番手以下はザルコ、アレイシ・エスパルガロ、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)と続いており、アプリリアのダブル表彰台の可能性が見える状況となった。

 その後、レースはしばらく落ち着いた状態で周回が続いた。先頭クアルタラロと2番手ザルコは約1.5秒差、そしてザルコと3番手エスパルガロとのギャップが約2.5秒と、ギャップが大きくなっていった。

 レース折り返しとなる15周目頃には、FP4での違反でロングラップペナルティを受け一旦下がっていたジャック・ミラー(ドゥカティ)が追い上げを見せ、4番手のビニャーレスの背後にピタリと接近。ビニャーレスが19周目に体勢を崩した際に労せずポジションを上げた。

 そのビニャーレスはマシンのライドハイトデバイスにトラブルが発生してしまったようで、20周目にピットイン。アプリリアでのベストリザルト更新も目前に見えていたが、ここでリタイアとなった。

 トップ2がそれぞれ単独走行状態の中、終盤の注目は3番手争いに集まった。エスパルガロにミラーが襲いかかり、23周目のターン1で追い抜きをしかけていったが、ブレーキングで止まりきれずに膨らんだため、エスパルガロが3番手を維持することができた。

 ミラーは残り5周で再び同じ様にターン1へのブレーキングでオーバーテイクをトライ。しかしまたも止まりきれず、エスパルガロが3番手を奪われることはなかった。

 残り3周、今度はエスパルガロがターン1へのアプローチで止まりきれず、ミラーが3番手へ浮上した。エスパルガロは諦めずに追いすがるが、差が開いてしまった。

 そして最終ラップ、クアルタラロは5秒差の独走でトップチェッカー。今シーズン3勝目を記録した。2位はザルコ、3位はロングラップペナルティを跳ね除けたミラーだ。

 ランキングではポイントリーダーのクアルタラロがリードを拡大。2番手のエスパルガロとの差を34ポイントまで広げており、2連覇に向けて視界良好だ。

  日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は10番手周辺を走っていたが、8周目に転倒しリタイア。チームメイトのアレックス・マルケスもマシントラブルが発生したのか、ピットに戻らざるを得ないなど、LCRにとっては厳しいレースとなった。