メルセデスは、先日行なわれたF1カナダGPでルイス・ハミルトンが3位、ジョージ・ラッセルが4位に入った。これは、同チームにとって今季最高タイの成績であり、決勝でのペースも、もっとも競争力があったといえる。

 しかし同チームのトト・ウルフ代表は、チームのパフォーマンスが向上していたとしても、すぐにフェラーリとレッドブルのトップ2チームに挑めるわけではないと考えている。

 今季開幕から、ポーパシングの影響を受ける形で好パフォーマンスを発揮できていないメルセデス。ポーパシングをある程度解決できた後も、今度はマシンのバウンシングに苦しみ、優勝争いに加わるには至っていない。

 ただそんな中でも、ここまでラッセルが3回、ハミルトンが2回3位表彰台を獲得。そしてスペインGPやカナダGPでは、決勝でのレースペースも優れていた。

 モナコやアゼルバイジャンといった市街地コースでは、ライバル以上に激しいバウンシングに苦しんだメルセデス。ただ今後しばらくは市街地コースでのレースはなく、シルバーストンやポール・リカールといった、高速で路面もスムーズなサーキットが続くため、スペインやカナダのようなペースを発揮し、一気に巻き返すのではないか……そんな見方もある。

 しかしウルフ代表は、期待については慎重な姿勢を崩していない。

「1回良かったからといって、それを鵜呑みにすることはできない」

 そうウルフ代表は語った。

「バルセロナでは調子がいい時もあったけど、どういうわけかそれはどこかに行ってしまった」

「注意しなければいけないと思う。金曜日はペースが悪かった。ウエットでは良かったし、それは立派なことだったと思う。そしてレースでは時々、我々のマシンが最速だった時もあった。第2スティントでは、ルイスとジョージは先頭と同じペースだったんだ。完全にというわけではなかったが、何周かは同じペースだった」

「それはとても励みになることだった。しかし、注意する必要もある。優勝争いに戻るためには、我々がしなければいけない仕事はまだまだたくさんある。我々はまだ、トップグループにはいないのだ」

 バーレーン以来となる表彰台を獲得したハミルトンにとっても、シーズン中盤から後半に向け、大いに励みになる結果だったと言えよう。

「今回の結果は、僕とチームに多くの希望をもたらしてくれた」

 そうハミルトンは語る。

「このマシンから引き出せるものは、まだまだたくさんあると思う。セットアップを正しく行なうことができれば、その可能性は本当にさるんだ。でもそれが、今年最も難しいことだったと思う。本当にセットアップを最適化しようとしているんだ」

「このマシンのセッティングの幅は、僕らがこれまでに経験した他のどのマシンよりもはるかに小さい」