3度のF1王者であるネルソン・ピケの、ルイス・ハミルトン(メルセデス)に対する差別的な発言に対し、F1は非難する声明を発表した。

 ピケは、2021年に行なわれたブラジルのポッドキャストで、イギリスGPで起きたハミルトンとマックス・フェルスタッペン(レッドブル)との接触を振り返り、ハミルトンに黒人を差別するNワードを使った。

 motorsport.comブラジルの編集者であるカルロス・コスタは、ピケのコメントを次のように翻訳している。

「その”Nワード”(ハミルトン)は(コーナーのイン側に)クルマを置いたんだ。コプスは非常に高速なコーナーで、2台が並んで進入できるわけがない。彼は汚いプレーをしたんだ。彼に運があったのは、(フェルスタッペンが)”Fワード”されたことだ。とてもラッキーだった」

 このポッドキャストは2021年11月に録音されたものだが、最近になってSNSで広まり、F1はピケの発言を非難する声明を出した。

「差別的、人種差別的な言葉はどんな形であれ容認できないし、社会と馴染むものではない。ルイスは我々のスポーツのための素晴らしいアンバサダーであり、尊敬に値する」

「彼の多様性と包括性を高めるためのたゆまぬ努力は、多くの人にとっての教訓であり、我々がF1で取り組んでいることだ」

 メルセデスもまたハミルトンを支持する声明を発表した。

「我々は、いかなる種類の人種差別的な言葉の使用も最も強い言葉で非難する。ルイスは人種差別と戦うために我々のスポーツにおける取り組みの先頭に立ってきたし、コース上でもコース外でも多様性の真のチャンピオンである」

「この事件は、より明るい未来のために努力し続けることの根本的な重要性を強調している」

 またFIAも声明を発表し、次のように付け加えた。

「FIAは、人種差別や差別的な言動を強く非難しており、それらはスポーツや広い社会で通用するものではない。我々はルイス・ハミルトンとの連帯を表明し、モータースポーツにおける平等、多様性、包括性への彼のコミットメントを完全に支持する」

 3度のF1チャンピオンであるピケは、1981年と83年にブラバムで王座を獲得し、1987年にウイリアムズで3度目のタイトルを獲得している。

 ピケの発言を受けてF1が何らかの措置を取るかどうかは今のところ不明だが、F1がピケのパドックへの立ち入りを制限する可能性はある。

 ハミルトンはF1やモータースポーツ界における多様性を改善するためのさまざまな取り組みを主導しており、レース界におけるマイノリティの参加が相対的に不足している理由を理解するために”ハミルトン委員会”を立ち上げた。

 10ヵ月にわたるモータースポーツ界と教育界の調査を経て作成されたその報告書は、レース界で働く人々の多様性のレベルを向上させるための提言を行なった。

 また、メルセデスは「アクセラレート25」という独自のプロジェクトを立ち上げ、社会的地位の低い人々にターゲットを絞った教育プログラムを提供し、キャリアへの関心を高める手助けをしている。