フェラーリのシャルル・ルクレールは、F1第11戦オーストリアGPで9レースぶりの勝利を飾ったが、終盤はスロットルにトラブルを抱えてしまった。

 ポールシッターのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はタイヤのデグラデーションに苦しんだこともあり、早めにピットインする戦略を採った。対するルクレールは、第1スティントでフェルスタッペンを交わしてトップに浮上。ピットインするたびフェルスタッペンの後ろでコースに復帰し、追いかけて抜くという展開となった。

 ルクレールがフェルスタッペンを3度追い抜き首位を快走していた57周目、3番手のカルロス・サインツJr.(フェラーリ)がフェルスタッペンに迫ったタイミングで、まさかのエンジントラブル。サインツJr.はコースサイドでマシンを止めてしまった。

 これでルクレールとフェルスタッペンはピットストップし、タイヤの状況が同じとなったが、ここでルクレールにもまさかの信頼性トラブルが発生した。

 ルクレールはスロットルペダルのフィーリングがおかしいと無線で報告したのだ。チームは、コーナーでスロットルが完全に閉じていないと報告した。

 1.5秒差でなんとか逃げ切りトップチェッカーを受けたルクレールは、スペインGPとアゼルバイジャンGPではトップを走りながらも信頼性トラブルで勝利を失っているだけに、またもや勝利を失うのかと恐れていたようで、レース後の無線で「怖かった」と安堵した様子を見せた。

 ルクレールは、コーナーでスロットルペダルが開度20〜30%の間でスタックしていたため、最後の数周は「とてもトリッキー」だったと説明した。

「序盤はペースも良かったし、マックスとも良いバトルができた」とルクレールは語った。

「そして最後はとても難しかった。スロットルに問題があって、低速で20か30%のところでスロットルが止まってしまうんだ」

「とても厄介だったけど、なんとか最後まで粘ることができた。とても、とてもハッピーだ」

 サインツJr.のマシンが火が上がるのと、ルクレールのペダルに問題が発生するのはほぼ同時だった。サインツJr.のトラブルを見て、警鐘を鳴らし始めたかと訊かれたルクレールは、次のように答えた。

「そうだね、不思議と同じようなタイミングだったから、もちろん、頭の中にあったよ」

「ペダルのフィーリングがおかしかったから、エンジンの問題ではないことは分かっていた。最初はピックアップ(踏み始め)で、そして最後にはゼロに戻らなくなった。でも幸運なことに、レースが終わるまで大丈夫だったんだ」

 ルクレールの勝利は、第3戦オーストラリアGP以来、実に9レースぶり。信頼性の問題や戦略面のミスなどが重なり、タイトル争いのライバルであるフェルスタッペンがドライバーズランキングで大きなリードを築いている。今回の勝利で5ポイントだがギャップを縮め、その差は38ポイントとなっている。

「この1勝は絶対に必要だった」と彼は認めた。

「この5戦は、僕自身にとっても、チームにとっても、とても難しいものだった。

「そしてついに、このマシンにペースがあること、それが可能であることを示すことができたのは信じられないようなことだ。だから、最後までプッシュする必要があるんだ」