2023年から世界耐久選手権(WEC)の最高峰クラスにあたるル・マン・ハイパーカークラスに挑戦するフェラーリ。ファクトリー体制での挑戦に向け、フェラーリのスポーツカーレース部門のトップであるアントネッロ・コレッタは、LMH車両が初公開されたシェイクダウンの後、その担当ドライバーは現在WECに参加しているファクトリードライバーから選出するという強い意志を示している。

 コレッタは次のように語っている。

「我々は既存のラインナップから選ぶことを望んでいる。これが我々の理想だが、最終的な答えはまだ出ていない」

「正直に言って、我々のドライバーが(LMH車両のテストで)競争力を示し、強いのであれば、なぜ変える必要があるのか?」

「私はファミリー内のドライバーでレースをするのが好きなのだ」

 フェラーリとフルファクトリー契約を結ぶGTドライバーは、アレッサンドロ・ピエール・グイディ、ジェームス・カラド、ミゲル・モリーナ、アントニオ・フォッコ、ダビデ・リゴン、ニクラス・ニールセン、ダニエル・セラ、アレッシオ・ロヴェラ、アンドレア・ベルトリーニの9名。

 ジャンカルロ・フィジケラとオリビエ・ベレッタ、トニ・バイランダーの3名はコンペティツィオーネGTのドライバーを務める一方で、フェラーリのアンバサダー役を務めている。

 7月7日(金)、フェラーリはLMH車両を公開した際に、マシンの初期テストはGTドライバーが担当すると発表。シェイクダウンも週の後半までフェラーリのファクトリーに併設されるフィオラノ・サーキットで続けられるとも明かした。

 テストは水曜日と木曜日の走行をピエール・グイディとニールセンが担当。コレッタが”ファーストランの最終日”と呼ぶ金曜日の走行は午前中がベルトリーニ、午後はリゴンがドライブした。

 コレッタは、今季GTワールドチャレンジ・ヨーロッパのPro-Amクラスに参戦しているベテランのベルトリーニに関して「フェラーリとは良い歴史を持ち、多くのテストや開発を行なっている」と語り、リゴンについては「我々のシミュレーションで最も経験のあるドライバー」と評価している。

 またコレッタは、「15〜20日以内に」正式なサーキットでLMH車両のテストが行なわれることを示唆し、それまでにフィオラノでさらなる走行を行なうことを否定しなかった。

 来季のWEC開幕戦セブリングに向けて、「非常にハードな」開発テストプログラムを行なっていくとコレッタは語っている。

 フェラーリのLHM車両は、トヨタの『GR010』や2022年の第4戦モンツァ6時間でデビューを迎えたプジョー『9X8』と同様に、四輪駆動のハイブリッドプロトタイプマシンとなることは既に分かっているものの、内燃エンジンやハイブリッドシステムの構成、マシンの技術的な詳細に関しては明らかにされていない。

 2023年シーズン開幕に向けたホモロゲーション期間が近づくまで、マシンの仕様が完全公開されることは考えにくい。