2022年のF1はレースディレクション体制が見直され、それまでのマイケル・マシに代わりニールス・ウィティヒとエドワルド・フレイタスの2名交代制へ変更。 サッカーで言うところのVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のような遠隔での後方支援体制も作られた。

 しかしコース上でのバトルやトラックリミットといった問題に関しては、スチュワードの裁定に一貫性がないとして、ドライバーから不満があがっているという現状がある。こうした事態の改善に向けて、ドライバーはスチュワードやレースディレクターとの協力を求めている。

 第11戦オーストリアGPの決勝レースでは、43回ものトラックリミット違反が発生。ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、ターン4でアウト側から仕掛けたセルジオ・ペレス(レッドブル)を押し出したとして5秒のタイムペナルティを科された。

 その裁定について「厳しい」と語ったラッセルは、インシデントはそれぞれに異なる状況であるとして、スチュワードとドライバーがより密接に協力をし、全員が”同じ土俵に立つ”ことを求めている。

「全てのインシデントの動きは異なっている」とラッセルは言う。

「実際、チェコ(ペレスの愛称)は僕のアウト側にいて、僕は彼にスペースを残しておく必要があった」

「でも彼は僕をマシンの限界まで追いやって、もっとグリップのあるところからターンインしてきたら、もう僕の行き場は無かった」

「ルールで言えば、僕が悪くて彼が正しい」

「でもブレーキをかけた瞬間から、僕はマシンの限界に達していたし、あれ以上できることはなかった。彼はクリーンエアで走っていたし、カルロス(サインツJr./フェラーリ/当時3番手)はイン側でディフェンスしていた」

「それが1周目に起こったこと。彼(ペレス)は経験豊富だから、どうなるかは分かっているはずだ」

「でもスチュワードの立場からすると、これはとても難しいことだ。僕らはみんな一貫性を求めていて、ペナルティの基準が右往左往するのは困る。ど真ん中にあってほしい」

「僕ら全員が同じ土俵に立つため、共に協力する必要があるんだ」

 スチュワードの一貫性を高めるためには、レースディレクターを以前のような1名体制に戻すべきかと質問を受けたフェルスタッペンは次のように答えた。

「必ずしも1名のレースディレクターに委ねるべきだとは思わないよ」

「自分のスタンスを維持し、ただ頑固になるのではなく、ドライバーたちと協力することが重要なんだと思う」

「みんなにとってより良いモノにしたいし、自分たちのためだけに戦っている訳じゃないんだ」

「結局、ドライバー間では良い意見交換が出来ている。多かれ少なかれ、ほとんどのことに関しては合意している」

「もちろん、誰もが自分自身の意見を持っている。レーシングインシデントやその他のことにね」

「でも確実に、僕らはもっと上手くやれるはずだ。僕らももっと良くなるように取り組んでいくよ」

 フェラーリのシャルル・ルクレールは、「いい塩梅で一貫性を保ち続けることが不可能」とは考えていないものの、レースディレクターが2名いることでそれが困難になっていると認めている。

「一貫性は常に僕らが求めてきたモノで、常に改善できる」とルクレールは言う。

「もちろん、レースディレクターが2名いるとそれは難しくなる」

「一貫性を保つことは不可能か? そんなことはないだろう」

「でもまあ、今のところ真の解決策はない。おそらくレースディレクターが1名になれば、もう少し簡単になるんじゃないかと思っている」