まだ来シーズンのシートを確保できていない角田裕毅について、アルファタウリのフランツ・トスト代表は、好調な走りを維持することができれば、契約が延長される「良いチャンス」があるはずだと語る。

 アルファタウリは既にピエール・ガスリーとの契約延長を決定。しかしチームメイトの角田については、現時点でも来季のシートは未定のままだ。しかもイギリスGPの決勝ではガスリーと同士討ちを喫してしまい、ペナルティを科されてしまった。これは契約を延長する上でマイナスポイントだろう。

 しかし、昨シーズンはガスリーに圧倒されていた角田は、今季は基本的にパフォーマンスを向上させ、互角のパフォーマンスを発揮している。実際ガスリーがここまで16ポイントを獲得しているのに対し、角田も11ポイントと僅差に肉薄している。

 しかもF1傘下のFIA F2では、何人かのレッドブル育成ドライバーが好成績を収めているものの、角田の明確な脅威となるほどの活躍を見せているドライバーはいない。そう考えれば、角田のポジションは安泰であるようにも見える。

「クラッシュは別として、彼は残りのシーズンも同じような走りを続けていけば、来季も我々と共に働く良いチャンスがあると思う」

 トスト代表はオーストリアGPの際に角田についてそう語った。

「それは彼次第なんだ。彼が良いパフォーマンスを発揮することができれば、彼はチームに残る。一方で良いパフォーマンスを発揮できなければ、チームを去る。とても簡単なことだよ」

 レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは最近、角田のことを「問題児」だと語り、無線で度々激昂することについて釘を刺した。しかしトスト代表は、強烈な性格を持つドライバーの方が好きだと示唆した。

「私は手のかかる子たちの方が好きだよ。彼らは、何かを生み出すことができる、本当に良い子供たちなんだ」

 そうトスト代表は語った。

「私は聖人のような子供たちは好きじゃない」

「ユウキは確かにミスを犯した。彼はそれを理解していて、それに対処しようとするだろう。彼はまだ、成長の過程にある。でも彼は速い。オーストリアでも彼は速かった。そして、彼は自分の道を進んでいくだろう。そのためには少し時間がかかる」

 なおイギリスGPの同士討ちの後、トスト代表はすぐに角田を呼び、叱責したことを明かした。

「チームにとっては、同士討ちは悪夢だった。7番手と8番手を走っていたからね。しかもシルバーストンは、我々にとって厳しいコースだとわかっていたんだ。にもかかわらず我々は本当に良いポジションにいた」

「ユウキは少し焦りすぎ、ピエールよりもブレーキを遅らせようとした。それでリヤのコントロールを失い、彼(ガスリー)に衝突してしまった」

「レースのすぐ後、私はユウキをオフィスに呼び、今回のことは絶対に受け入れられないものであり、もっと規律と忍耐力を持たなければならないということを話した」

「これはチームメイト同士で起きた最初の衝突ではないし、これが最後になることもないだろう……我々にとっては最後の同士討ちであって欲しいがね。F1の歴史の中でも数回にわたってみられてきたことだ。しかし、絶対に避けなければいけないことでもある」

 なお角田はオーストリアGPではペースとグリップの不足に苦しみ、16位に終わった。