フォーミュラE第11戦ニューヨークシティePrixは、突然の雨で劇的な幕切れとなった。首位を走行していたニック・キャシディ(エンヴィジョン)を含め、数台がターン6でクラッシュし、赤旗が掲示されたのだ。

 一気に水量が増えたことで、ストレートエンドのターン6ではブレーキングでアクアプレーニングが発生。上位を走行していたマシンが止まりきれず、次々とコースオフしていった。

 2番手を走っていたルーカス・ディ・グラッシ(ベンチュリ)も、コントロールを失ったひとり。キャシディに続いてコースオフした彼のマシンは、キャシディのマシンに激突。さらに、4番手を走っていたストフェル・バンドーン(メルセデス)もそこに突っ込んだ。

 このクラッシュの直前にフルコースイエローが出されたが、すぐにレースは赤旗中断となった。そのまま再開されることなくレースは終了。赤旗直前のコントロールラインを通過した順位が最終リザルトということになり、ディ・グラッシは2位となった。

 ディ・グラッシは、このクラッシュの前に無線で”走行不可能なコンディション”だと訴えていたという。

 時速100kmでキャシディのマシンにぶつかったというディ・グラッシは、大きなダメージを受けながらも3人のドライバーが無傷で済んだことで、第2世代のフォーミュラEマシンの安全性能を高く評価している。

「ストレートでもアクアプレーニングが発生していたんだ。だから僕は無線で、走行不可能だ、安全ではない、と言ったんだ」

 そうディ・グラッシは振り返る。

「FIAの決断が少し遅れて、6コーナーでの大クラッシュを引き起こしたんだ」

「僕のフォーミュラEキャリアの中で、おそらく最大のクラッシュだったから、このマシンが非常に安全なことに感謝している」

「少なくとも時速100kmでニックにぶつかり、ストフェルも同じようなスピードで僕にぶつかってきた。だから、マシンの安全性と他のドライバーも含めて100%無事だったことが嬉しい」

 雨が降る前のレース展開は、セーフティカーやFCYが出ることもない、フォーミュラE的には稀有なレースだったと言える。それだけに、ディ・グラッシは上位のマシンがレース終盤にどうエネルギーマネジメントするのか興味があったと説明した。

「僕はレースの大部分でニックを追いかけていたし、ストフェルとも長い間争っていた。彼にひとつポジションを奪われたけれど、また取り戻すことができた。でも、フォーミュラEの基準で言えば、何もないレースだった。そして誰もが同じようなペースで、自分の周りのクルマのエネルギーレベルも同じようなものだった」

「最後の数周、誰が最も優れた温度管理をしていたのか、エネルギーとマシンのバランスがどうなっていたのか、とても興味深かったと思う」

「だけど雨が降ってきて、毎周マシンがどんどんスライドしていくようになっていくのが分かったんだ」