ハースのミック・シューマッハーは、シーズン序盤から苦戦が続いていたが、F1イギリスGPでキャリア初入賞となる8位を記録すると、続くオーストリアGPでも6位となった。

 シーズン序盤は、チームメイトのケビン・マグヌッセンが入賞を重ねる傍ら、大クラッシュを喫するなどなかなか結果が残せなかったシューマッハー。彼のF1での将来や、ハースが彼の後任を探すべきなのかどうかという疑問が生じるほどの苦戦ぶりだった。

 シューマッハーの成長は、チームが彼をF1で結果を出すことができるドライバーだと信頼していたこと、シーズン序盤のフラストレーションの中で、チームが冷静だったことが重要だということを示していると、ハースのギュンター・シュタイナー代表はmotorsport.comに語った。

「それが目的だったんだ」

「外部から不安が持ち込まれようとしたところで、静けさが保たれていたのが素晴らしい」

「アレで満足だとは言わないが、我々はミックが成功し、速く走るという目標に向かって働いていた。我々はそれを達成した。それについては満足している」

 シュタイナーは、突如チームメイトがニキータ・マゼピンから経験豊富なマグヌッセンに代わったことで、シューマッハーがリセットを余儀なくされたと考えている。

「昨年はかなり優位だっただけに、ミックにとっても最初のうちは難しかった」とシュタイナーは付け加えた。

「それが突然、かなり劣勢になってしまったんだ。それはドライバーの走り方、自分へのプレッシャーのかけ方に影響すると思う。彼はそれを学ばなければならなかった」

「私はいつも『上に行けば行くほど、空気が薄くなり、皮を厚くする必要がある』と言っているんだ。シルバーストンでの(マックス)フェルスタッペンとの戦いを考えてみてほしい。彼は負けたが、その過程で多くのことを学ぶことができたから、彼にとっては良かったんだ」

「本当に優れた相手から学ぶのが一番だ。そういう相手と戦うと、すぐに学ぶことができる」

「その点、彼は昨年、F1の仕組みについてそれほど多くを学ぶことができなかったと思う。F2出身の多くのドライバーは、F1がどのように機能しているかをすでに知っていると考えている。でも、それを知るのには時間がかかるんだ。学校と同じで、4年間のカリキュラムを2日で学ぶことはできないんだ」

「今、ミックはより良いマシンでドライビングを学び、上位で戦い続け、ポイントを獲得しなければならない。論理的に考えれば、上位で戦えば戦うほど、それは難しくなる。それが普通だ」

「だから我々がこのレベルに到達したのはいいことだと思う。今は、ポイントを争うのが普通になるまで、ひとつひとつレベルを上げていくしかないんだ」

 シューマッハーはフェラーリのドライバーズアカデミーの一員であり、彼のF1での将来はフェラーリが彼にどんなプランを用意するのかによって大きく左右されることになる。

 しかし、シュタイナーはシューマッハーを引き留めるかどうかの最終決定は、フェラーリだけに委ねられるものではないことを示唆している。

「フェラーリと我々の契約について話すつもりはない」と彼は言った。

「そして、フェラーリとミックの契約についてもそうだ。私は詳細を知らないからね」

「全体像は知っているが、細かいことは知らないし、知りたくもない。だから、今は契約について話したくないんだ。メディアのみなさんは、それを尊重しなければならない」

 フェラーリがシューマッハの将来を完全にコントロールしているというこれまでの推測は間違っていると示唆されると、シュタイナーは次のように述べた。

「もしかしたら、それほど明確ではないかもしれない」

「フェラーリが我々に指示を出していると結論づけることはできない。我々にも発言権があるんだ」