今シーズンの各F1チームのマシンで大なり小なり認められる上下動……いわゆるポーパシングやバウンシングと呼ばれる動き。これによりドライバーに身体的な負荷がかかることが明らかになってきたことで、FIAは対策に乗り出した。

 FIAはイギリスGPの際、新な技術指令を発令し、マシンの上下動を検証するために、エアロダイナミック・オシレーション・メトリック(空力振動測定法/AOM)を導入することを発表。そしてチーム間で公平な条件を確保するため、フレキシブルフロアやフレキシブルプランクを厳格に監視することも決めた。

 なおこの技術指令は、当初はフランスGPから適用される予定だったが、最終的には夏休み明けのベルギーGPから施行されることになった。

 各チームとしては、AOMの基準に収まるよう、上下動を抑えるようにしなければいけない。しかしそれ以上に、新しいフレキシブルフロアに関する規定は、頭痛の種になるかもしれない。

 このフレキシブルフロアに関する規定の変更は、一部のチームがレギュレーションのグレーゾーンを巧みに利用し、マシンのフロアが変形することを活かして、パフォーマンス向上に繋げようとしていたことが背景となっている。

 マシンのフロア下、中央部分にはプランクもしくはスキッドブロックと呼ばれる板が取り付けられている。これには50mmの穴(プランクホール)が6つ開けられていて、その周囲をチェックすることで、たわみが起きていないことを確認している。

 FIAの検査では、フロントアクスルから1080mm後方にあるプランクホールでは、1mm以下のたわみしか許されない。また最後尾のプランクホールでは、2mmまでたわみが許される。

 しかし一部のチームは、プランクの車体への取り付け方法を工夫することで、検査の際に重りを吊り下げた時には基準以内のたわみになっているものの、実際に走行した際には大きくたわむようにしていることが疑われている。

 なおF1チームは、このプランクホールの周辺にチタン製の滑材を取り付けることが許されているが、そのサイズや形状、固定方法については多くの付帯規則がある。車体の底から火花が出るのは、この滑材が路面と擦れるからである。

 昨年までのF1マシンは、そのほとんどが大きなレーキ角がつき、前傾姿勢のような格好になっていた。そのため、プランクの前端が摩耗しやすかった。このフロント部の車高についても、FIAは何度かその基準を厳格にしようとしたことがある。今季のアプローチも、それと同等と言えよう。

 今季のF1マシンは、レギュレーションの大変更に伴い、レーキ角は小さくなり、地面と水平な状態で走っている。サスペンションも硬い。そのため、昨年までのマシンとは、異なる挙動を示している。