フランス南部にあるポール・リカール・サーキットを舞台に、F1第12戦フランスGPの決勝レースが開催。レースはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が勝利した。

 2022年シーズンの折返しを過ぎ、F1はフランスGPを迎えた。週末を通して天気に恵まれ、決勝レースが行なわれる日曜日も雲ひとつ無い青空がサーキットを覆った。

 現地15時00分を前に気温は30度、路面温度は50度という厳しいコンディション。高いタイヤデグラデーション(性能劣化)が予想されていることもあり、スタートタイヤにソフトタイヤを選択するドライバーはおらず、ほとんどがミディアムタイヤを選択。11番手のバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)と14番手のピエール・ガスリー(アルファタウリ)、パワーユニット交換によりグリッド降格となっていた19番手のカルロス・サインツJr.(フェラーリ)がハードタイヤを履いた。

 各ドライバーがフォーメーションラップを終え、シャルル・ルクレール(フェラーリ)とフェルスタッペンがフロントロウに並び、後続もグリッドにマシンを並べた。

 全53周の決勝レースに向け、赤く灯ったシグナルがブラックアウト。各ドライバーが一斉にスタートを切り、ポールポジションからルクレールが頭一つ抜け出してターン1を首位で回った。

 フェルスタッペンが2番手を守り、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がスタートでジャンプアップし3番手に。一方で、今季予選最高位8番手からスタートした角田裕毅(アルファタウリ)は、1周目でエステバン・オコン(アルピーヌ)に当てられる形でスピンアウト。最後尾まで転落することとなった。

 なお、その後オコンには接触の原因を作ったとして5秒のタイムペナルティが科され、角田は接触のダメージにより17周でリタイアとなっている。

 レース序盤、フェルスタッペンはルクレールの1秒圏内で前を伺った。チームからは相手の出方を見るよう指示が飛んだが、フェルスタッペンはルクレールに対してプレッシャーをかけ続けた。

 3番手のハミルトンはトップ2に付いていくことはできなかったが、序盤迫られたセルジオ・ペレス(レッドブル)を引き離し単独3番手を走った。

 レース14周目になるとトップ2に変化。ルクレールがタイムを上げた一方で、フェルスタッペンはついていくことができずにタイム差が徐々に拡大していった。

 これを受けフェルスタッペンは16周目の終わりにピットストップ。新品のハードタイヤに履き替え7番手でコースに戻ったが、ルクレールはフェルスタッペンに反応することなくステイアウトを続けた。

 しかしここで首位ルクレールに悲劇。ターン11でリヤを流し、スピン状態でアウト側のウォールに激突してしまった。ルクレールは前戦オーストリアGPと同様にスロットルの問題を訴え、無線で激昂していた。

 ルクレールのクラッシュによりセーフティカー(SC)が導入され、タイヤ交換をしていなかったドライバーがなだれ込んだ。メルセデスがダブルストップを敢行し、サインツJr.のピットストップではタイヤ交換に手間取ったこともあってか、チームはサインツJr.を危険なタイミングで送り出してしまった。

 優先されるファストレーンを走行していたアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)と交錯しかけたことで、サインツJr.には5秒のタイムペナルティが科された。

 SCは21周目から、フェルスタッペン、ハミルトン、ペレス、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、サインツJr.というトップ5でレース再開。ライバル脱落により首位のフェルスタッペンが後続を引き離し、ハミルトンからミディアムタイヤを履くサインツJr.までが一集団となって走った。

 サインツJr.は30周目のターン10でラッセルを攻略し、その7周目にはペレスのDRS圏内に入った。ただ決定打がないまま周回数が消化されていったが、41周にターン14でペレスに並びかけると、続くターン15でインを取り抜ききった。

 ただ42周目の終わりにサインツJr.は、ペナルティ消化とタイヤ交換を行なうため2度目のピットストップへ。これにより表彰台争いからは離れることとなった。

 3番手のペレスにはサインツJr.の脅威は去ったものの、今度はラッセルが迫る。ラッセルは42周目のミストラル・シケインでインを伺うも、ペレスが押し出される形となった。ラッセルはペレスの非を訴えたが、審議対象とはならず、チーム代表のトト・ウルフが直々にラッセルをなだめた。

 残り5周というところで、周冠宇(アルファロメオ)のマシンがターン6の立ち上がりでストップ。SCの可能性があるため、各チームは最後のピットストップの準備を行なったが、バーチャルセーフティカー(VSC)のみでの処理となった。

 VSCは50周目に終了が下ったものの、VSCが正しく解除されないという状況に。そうした混乱もあってか、翌51周目に再び終了となった直後に、ラッセルはタイミングが遅れたペレスを抜き去った。

 フェルスタッペンもこのタイミングで数秒を失ったものの、ハミルトンに10秒近い差を持ってファステストラップに突入し、そのままトップチェッカーを受けた。フェルスタッペンはこれで今季7勝目となり、ドライバーズランキングでは今回無得点に終わった2番手ルクレールに対して63ポイント差と首位独走を築いた。

 2位にはハミルトン、3位にはペレスから逃げ切ったラッセルとメルセデスが今季初のダブル表彰台。2位という成績も今季最高位となる。

 4位にペレス。5位にはサインツJr.が入ったが、フェラーリのピット戦略については不満を隠せない様子だった。

 6位以下にフェルナンド・アロンソ、ノリス、オコン、ダニエル・リカルドとアルピーヌとマクラーレンが交互に入賞。レース前はコンストラクターズランキング4番手で並んでいた2チームだったが、母国GPのアルピーヌがここで一歩前に出た。

 10位にはランス・ストロール(アストンマーチン)。レース最終盤、チームメイトのセバスチャン・ベッテルに迫られるも、順位を守りきった。

 次戦はハンガロリンクで行なわれるハンガリーGP。フランスGPとは大きくコース特性が異なるサーキットが舞台となる。サマーブレイク前最後の一戦を制し、前半戦を締めくくるのはレッドブルかフェラーリか。それともメルセデスか、はたまた”ミラクル”が起こるのか。答え合わせは1週間後だ。