2005年と2006年のF1チャンピオンであり、40歳の現在もアルピーヌからF1に参戦しているフェルナンド・アロンソ。アルピーヌはアロンソが引退した後も自社の耐久プログラムに参加してほしいと考えているようだ。

 アロンソは2018年、トヨタのLMP1プログラムに加入してWEC(世界耐久選手権)に参加。そこから2年連続でル・マン24時間レースを制するなど、スポーツカーレース界でも実績を残した。彼は2年のブランクを経て2021年にF1復帰したのを機にその他のレース活動を全て取りやめたが、将来的に再びル・マン24時間に参戦したいという意思を明確にしている。

 アルピーヌは、2021年からWEC最高峰クラスのLMH(ル・マン・ハイパーカー)クラスに参戦している。現在使用している車両は“グランドファザーカー”などとも呼ばれる旧規定のLMP1車両だが、2024年からはシグナテックとの提携で新規定に合致したLMDh車両を2台持ち込む予定となっている。なお、この活動はF1での活動と並行して行なわれる予定だ。

 アルピーヌのCEOであるローラン・ロッシは以前から、アロンソが自社のWECチームのドライバー候補になると公言してきたが、F1フランスGPのレースウィークの際に改めて、アロンソのF1での契約をめぐる議論にLMDh転向の話も入っていると明らかにした。

「その話は常に議題のひとつとなっている。それは、今年に向けた契約更新の話し合いをしている時も同じだった」

 ロッシはmotorsport.comにそう答えた。

「我々は、フェルナンドがこのスポーツにおけるレジェンドであり、同時にルノーグループのレジェンドでもあるという話をした。我々にとって、彼は偉大なチャンピオンなのだ」

「彼は当初からLMDhのシートを手にするつもりだった。彼が加入したら歓迎されるだろう。もちろんこれは議題のひとつになっている」

「我々は実際に(LMDhプログラムに着手する)決断を下した訳で、彼をそこに入れることも考えている」

 既に40代に突入したアロンソだが、現在も一線級で活躍しているのも去ることながら、本人からもF1キャリアに区切りを付けようとしている気配が見られない。彼は今季がここ10年で最も競争力のあるシーズンだと話しており、その意欲も高い。

 そういった背景から、アルピーヌのリザーブドライバーであり、FIA F3とFIA F2のチャンピオンであるオスカー・ピアストリは来季もアルピーヌのレギュラーシートを得られなさそうだが、ロッシはアロンソとピアストリが共に来季のF1グリッドに並ぶことになると考えている。言い換えると、ピアストリはレンタル移籍のような形で他チームからデビューを果たす可能性が高い。

 なお、アルピーヌは他にも有望な若手ドライバーを複数抱えている。ジャック・ドゥーハンはF2でルーキーながら速さを見せており、ヴィクトー・マルタンスもF3でランキング首位に立っている。また、オリー・コールドウェルやカイオ・コレもアルピーヌアカデミーのメンバーだ。

 ロッシはアルピーヌがアカデミー生に対して「合理的なアプローチ」をとりたいと考えており、F2やF3以外にもLMDhに乗る機会を与えることもできると語った。

「(F1にたどり着くまでの)待機用シートのような選択肢はいくつもある」とロッシ。

「リザーブドライバーももちろんそのひとつだ。そしてLMDhというのも近々選択肢の中に入ってくる」

「したがって、優秀な若手に対して十分な数のシートを与えられていないというここ最近の状況よりは、よりうまく管理できると考えている。それが今我々がやろうとしていることだ」