ウイリアムズのヨースト・カピト代表は、来季のドライバーラインアップに頭を悩ませている。

 チームは2023年、苦戦が続くニコラス・ラティフィの後任として、アルピーヌ育成で昨年のFIA F2王者であるオスカー・ピアストリを”レンタル”するとの見方が強かった。

 しかし、ウイリアムズ期待の若手育成ドライバーであるローガン・サージェント(カーリン)はF2参戦初年度ながらも活躍。F1参戦に必要なスーパーライセンス獲得の要件が整いつつある。

 サージェントはシルバーストンとレッドブルリンクのフィーチャーレースで優勝。ポール・リカールでも岩佐歩夢(DAMS)を下し、今季2度目のポールポジションを獲得した。レースでは悔しい結果となり、続くハンガリーでもわずか1ポイントしか獲得できなかったものの、ランキング首位フェリペ・ドルゴビッチ(MPモータースポーツ)から61ポイント差の3番手。後半戦の状況によっては、タイトル獲得も不可能ではない位置だ。

 F2はF1への登竜門であり、一度タイトルを獲得したドライバーはシリーズに継続参戦することはできないことになっている。彼が最終的にタイトルを獲得した場合、ウイリアムズは彼に2023年のシートや役割を見つける必要が出てくる。

「素晴らしい頭痛の種になるとは思わんかね?」

 サージェントの展望について尋ねられたカピトはそう語った。

「もっと悪いの(頭痛の種)もあったよ。もちろん、我々は感心している。彼はF2のルーキーシーズンだからね」

「我々は彼にプレッシャーをかけていなかったし、彼には成長するための時間がある。彼がマシンからグリップを引き出すスピードやタイヤマネージメント、そして結果を出す速さには本当に感心させられる」

 ただ、サージェントのF1参戦の計画を立てるのは時期尚早だとカピトは言う。

「例えば、彼にはスーパーライセンスポイントが必要だ。獲得するためには、チャンピオンシップでトップ5に入る必要がある。今のところ、いい感じだがね」

「ただ知っての通り、状況がすぐに反対を向くことだってある。だからシーズンが終わってもいないのに、F2ドライバーの何かを早期に決定するのはかなりトリッキーだ。もちろん、それも決断の一部にはなる」

 今シーズンは、レギュレーションによりF1チームそれぞれが最低2回は金曜日のフリー走行でルーキーを走らせる必要がある。ウイリアムズはスペインGPのフリー走行1回目でニック・デ・フリーズがドライブし、義務1回目を消化している。そして2回目は、サージェントがアメリカGPのFP1で走る予定になっている。

「我々の若手ドライバーアカデミーは非常に上手くいっている。最近、3つの良い結果が出た。ローガンはここ2レースで優勝し、彼は(フランスで)ポールポジションを獲得したのだから、彼はF1マシンに乗るのにふさわしいと思う」

 またカピト代表は、他チームからドライバーをレンタルすることも選択肢に入っているとしている。

「それが我々にとってベストな選択であるなら、それを検討することになる。それがベストでなく、他にもっと良い策があるのなら、よりよい策を選ぶだろう」

「様々な策があると思う。そしてそれは我々が考えている選択肢でもある。最終的には、チームにとってベストなモノを選ぶことになるだろう」

「でもまだその段階ではないから、詳細に触れるのには早すぎる」

 ただ当初、最有力候補だと目されていたピアストリの獲得は、難しい状況にあるかもしれない。フェルナンド・アロンソがアルピーヌ離脱を決めたことで、同チームはピアストリを来季のレギュラードライバーとして起用することを発表した。しかしピアストリはこれを拒否。アルピーヌ陣営から離脱するのは確実とされる。

 しかしピアストリは噂されたウイリアムズではなく、マクラーレンに加入するとの見方が強い。そうなれば、ウイリアムズの最有力候補はサージェントということになるだろうが、もしサージェントがスーパーライセンスを獲得できなかった場合には、さらに選択は複雑なモノになるかもしれない。しかも前出のデ・フリーズなど、他にも複数の候補者の名前が取り沙汰されている。