F1ベルギーGPの決勝レース1周目、メルセデスのルイス・ハミルトンはアルピーヌのフェルナンド・アロンソと接触。この接触はハミルトンがアロンソの進路を塞いだことで起きたように見えたが、ハミルトンにペナルティが出されることはなかった。

 FIAはこの件について「1周目に起きる典型的なクラッシュ」と判断したようだ。

 事故は1周目に起きた。3番グリッドからスタートしたアロンソは、スタートがうまくいかなかったセルジオ・ペレス(レッドブル)を抜いて2番手に浮上。しかしその後方からはハミルトンが接近し、ケメル・ストレートでアロンソのスリップストリームに入った。

 ハミルトンはケメル・ストレートエンドのレ・コンブで、アウト側からアロンソをオーバーテイクしようとした。しかしアロンソがイン側ギリギリを走ったところにハミルトンが寄せていき、両車が接触。ハミルトンのマシンは跳ね上がるような形になった。

 ハミルトンは走行を続けたが、すぐにリヤから液体を吹き上げるようになってしまい、チームの指示でマシンをコース脇に停め、リタイアとなった。

 アロンソはハミルトンの動きに憤慨。他のマシンとレースをしていることを忘れているのか、と非難した。

「アウト側からドアを閉めてくるなんて、ちょっとおかしいんじゃないか?」

 そうアロンソはチームに無線で訴えた。

「僕らはすごいスタートを切ったんだ。コイツは先頭からスタートした時の走り方しか知らないみたいだ」

 FIAはこの事故について調査を行なったが、いずれのドライバーにも非がないと判断。1周目に順位を争っている時に起きる、典型的なクラッシュだと考えたようだ。

「スチュワードはビデオの証拠を精査し、ターン5でアロンソがイン側にいたと判断した」

 FIAは声明でそう説明した。

「ハミルトンの前輪は、このコーナーの入り口でアロンソよりも前に出ていた。アロンソは走行ラインからイン側に寄ったことで、右側の両方のタイヤが完全に縁石に乗り上げていた。一部は縁石の内側にも出ていた」

「アロンソがこれにより、コントロールを失ったり、アンダーステアを起こしたようには見えなかった。その後ハミルトンはコーナーのエイペックスに向かってターンインした。しかしアロンソはまだ横にいて、接触が発生した」

「スチュワードは、これはスタート後最初のいくつかのコーナーで、他のマシンに応じて大きく動くことがある1周目に起きやすいインシデントだと判断した。したがって、これ以上の審議は必要ない」

 ハミルトンはリタイアとなったものの、アロンソはレースを力強く走り切った。最終盤にはフェラーリのシャルル・ルクレールがファステストラップの獲得を狙ってピットインしたことで5番手に浮上。新しいタイヤを履いたルクレールに抜かれはしたものの、そのルクレールにピットレーンでの速度違反があったとして5秒加算ペナルティを受けたことで、5位を手にすることになった。