フェラーリのマッティア・ビノット代表は、F1第14戦ベルギーGPでの失速原因は舞台となったスパ・フランコルシャンのコース特性よりも、激しいタイヤデグラデーション(性能劣化)にあるとの考えを示している。

 グランプリ初日や2日目とは異なり、天候に恵まれた決勝レースでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが14番手グリッドから優勝。そこから17秒遅れたものの、2位にもチームメイトであるセルジオ・ペレスが入り、レッドブルが1‐2フィニッシュを果たした。

 一方で、フェラーリのカルロス・サインツJr.とシャルル・ルクレール(フェラーリ)はタイヤデグラデーション(性能劣化)に悩まされ、サインツJr.はトップから26秒差の3位、ルクレールはブレーキダクトに捨てバイザーが絡まるトラブルにより予期せぬピットストップを強いられたこともあり、6位に終わった。

 フェラーリは今季ここまで、ほとんどのレースで優勝戦線に加わってきたものの、ベルギーGP ではレッドブルに太刀打ちすることはできなかったのだ。

 フェラーリはレッドブルに対して結果的に大きな差をつけられたものの、その原因の多くはタイヤデグラデーションにあるとビノットは指摘する。そして1周7.004kmとカレンダー最長のスパでは、少しの差がより顕著に現れるとの考えを明かした。

 ベルギーGPでの大敗は、スパのコース特性に起因した単なる”異常値”だと考えているかと尋ねると、ビノットはこう答えた。

「そんな希望はどこにもないと思う」

「この週末の我々とレッドブルとの差は、かなり顕著だった。ハンガリーGPを振り返ると、彼らは少し速いだけだった。ハイダウンフォースと、今回とは異なる仕様のサーキットでね」

「全体として、今回は全体的な効率の面で彼らは我々のマシンよりも速かった。スパは空力とパワーユニットの効率性が求められるからね」

「でもそれ以上に、我々はタイヤのデグラデーションがひどかったから、そこを改善する必要がある。タイヤデグラデーションの面では、彼らの方が強力だった。だから今回がとりわけ異常だったとは考えていない。ただ、彼らが我々が考えていたよりも速かったのだ」

 ベルギーGPでのフェラーリの大敗は、ふたつのタイトル争いで望みを繋ぐにあたり、チームにとって大きな打撃となった。ルクレールはドライバーズランキングで3番手に後退し、首位フェルスタッペンからは98ポイント差に。コンストラクターズランキングでは、レッドブルがフェラーリに対して118ポイントの大量リードを築いている。

 ルクレールはレース後、この位置からタイトルを獲得するのは「とても難しい」と認めたが、ビノットは今後もベルギーGPのような大差をつけられることはないとの考えを示した。

「確実に、次のレースで今回のような差が見られることはない」とビノットは言う。

「スパは長いサーキットだから、常に差が増幅されるのだと思う。このようなサーキットでは、効率面のわずかなアドバンテージでも、それが増幅され、顕著に現れるモノなのだ」

「だから、次のレースではもっと接近していることを願っている。彼ら(レッドブル)は少し速いマシンを手にしていると思う。しかし、タイヤデグラデーションが今回のパフォーマンスに最も影響していると思う」

「続くレースでも重要なことだから、できるだけ早く分析し、対処する必要がある」