F1ベルギーGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが、14番グリッドと後方からのスタートだったにもかかわらず、圧倒的な速さと強さを見せて優勝を手にした。

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーはこのパフォーマンスについて、ベルギーGPの舞台であるスパ・フランコルシャンにはオー・ルージュ〜ラディオンという急勾配の登り区間があるため、各車ともにいつもよりも車高を上げなければならなかったことで顕著になったと考えている。

 今シーズンのF1はグラウンド・エフェクトカーとなったため、マシンの床下を路面に極力近づけることで最大のパフォーマンスを発揮することが目指されてきた。しかしスパ・フランコルシャンには、オー・ルージュ〜ラディオンの急勾配区間がある。高速で急坂を駆け上がると、当然大きなGがかかることになり、車両は路面に押しつけられる。つまり通常と同じ車高で走行した場合には、床下を路面に激しく打ち付けてしまう可能性があるわけだ。これを避けるため、多くのマシンは通常よりも車高を引き上げてベルギーGPに臨んだ。

 特にフェラーリとメルセデスは、できる限り車高を低くした方が大きなダウンフォースを生み出すことができるように見える。一方でレッドブルは、車高が高くでも最大のダウンフォースを発揮することができるようだ。

 このことは直線スピードの速さにも繋がっていると見られており、今回のスパでは圧倒的な速さを発揮。まるで別のカテゴリーのようだった。

 ホーナー代表はこれについて、次のように説明する。

「このサーキットでは、我々の強みを発揮することができたと思う。我々は非常に効率的なマシンを持っており、非常に優れたセットアップを見つけた。マックスはフリー走行1回目の1周目以降、驚異的な調子を維持したんだ」

 ベルギーGPで軽量化されたシャシーを投入するという噂もあったレッドブルだが、ホーナー代表はこれを否定。オー・ルージュが差を生むきっかけとなったと説明する。

「いや、軽量化したシャシーを持ってきていない。だから、それはパフォーマンスを決定付けた要因ではない」

「たくさんのことが行なわれ、ポーパシング対策の技術指令に多くの期待が寄せられた。でもそれは間違いなく、我々ではなく他のチームの打撃になったようだ」

「我々はマシンのオペレーションを変えていない。オー・ルージュ(〜ラディオン)で路面を打ってしまうことは、ここでは常に問題になる。しかし、それは我々に限ったことではない。どのチームでも同じなのだ」

「しかし今年は、すでに車高を上げているのがお分かりいただけたと思う。我々の哲学は、他のいくつかのチームの哲学とは少し違うんだ。今後のレースでは、もっと車高を落として走らなければいけないという技術指令を受けるかもしれない」

 なお前述の軽量シャシーについて、シンガポールGPまでに投入される可能性があると見られているが、ホーナー代表はこれについて、言葉少なに次のように語った。

「そんなことはない……今のシャシーは、今後数レース走る予定だ」

 レッドブルのマシンは、シーズン序盤の段階では、レギュレーションで規定されている最低重量(798kg)よりも10kg以上重いと言われていた。もしレッドブルがシャシーを軽量化することに成功すれば、現在の速さがさらに磨かれることになるだろう。