ミサノ・ワールドサーキット・マルコ・シモンチェリでMotoGP第14戦サンマリノGPの決勝レースが行なわれた。レースを制したのは、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤだった。

 予選でポールポジションを獲得したのは、ジャック・ミラー(ドゥカティ)。2番手はエネア・バスティアニーニ(グレシーニ)、3番手にマルコ・ベッツェッキ(VR46)が続いた。今回が引退レースのアンドレア・ドヴィツィオーゾ(RNFヤマハ)は20番手からのスタートだ。

 予選日は不安定な天候に翻弄されたが、決勝レース当日は降雨の不安もなく良好なコンディションとなった。気温は27℃、路面温度は42℃だ。

 全27周の決勝レースは、ポールシッターのミラーが順当にトップを確保。バスティアニーニが2番手、そしてグリッド降格ペナルティを受けて5番手スタートだったバニャイヤがスタートで一気に3番手に浮上してきた。

 なお1周目ターン1ではマルチクラッシュが発生。ヨハン・ザルコ(プラマック)の転倒に巻き込まれる形でポル・エスパルガロ(レプソル・ホンダ)、ミケーレ・ピッロ(ドゥカティ)の計3人がクラッシュし、リタイアとなった。

 2周目、トップを走っていたミラーがターン4で転倒を喫してしまった。これで先頭はバスティアニーニに入れ替わった。なおベッツェッキもターン10で転倒するなど、レース序盤はかなり落ち着きのない展開となった。

 トップグループでは、バニャイヤが3周目にバスティアニーニを軽く料理して先頭に浮上。バスティアニーニはマーベリック・ビニャーレス(アプリリア)にも続けざまに追い抜かれてしまい、一気に3番手までポジションを落とした。

 バニャイヤは自己ベストを刻んでいくが、2番手のビニャーレス、3番手バスティアニーニ、4番手のルカ・マリーニ(VR46)らトップグループが大きく引き離されることはなかった。

 ポイントランキング首位のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)とランク2番手のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)は5番手を争う形でレースを展開。序盤8周ではクアルタラロが5番手、エスパルガロが6番手と、クアルタラロ優位の状況で進んでいた。

 レースはバニャイヤが先導し、時折ビニャーレスがプレッシャーをかけるようなシーンはあるものの、順位には変動がない”凪”の状態が続いていた。

 動きに乏しい展開が続いたままレースは折返しを迎えようとしていたが、2番手を走るビニャーレスや、先頭集団に追いつきつつある5番手のクアルタラロにはトラックリミット違反の警告が発せられた。ロングラップペナルティを受けないためにも気を使う必要が出てきた。

 中盤になりバニャイヤはペースアップさせて毎周のようにベストラップを更新していくが、ビニャーレスやバスティアニーニらも一歩も引き下がることなく追走。唯一、マリーニのみが離されていく形となった。

 どちらが先に音を上げるか、耐久戦の様相を呈してきたトップグループの争いは残り10周を切っても続いた。そして残り8周、バスティアニーニが好機と見たかビニャーレスをオーバーテイク。2番手に浮上し、0.6秒先のバニャイヤを追った。

 バスティアニーニは2周ほどでギャップを詰めてバニャイヤへ接近。しかし残り6周で彼にもトラックリミット違反の警告が出されてしまった。

 残り5周、トップは既にバニャイヤとバスティアニーニの一騎打ちの状況。バスティアニーニが0.2秒差とバニャイヤを射程に収めつつあったが、なかなかオーバーテイクにまでは繋げられない距離での戦いが続いた。

 バニャイヤは残り4周、3周とこのタイミングで自己ベストを続けざまに更新。一つのミスも許されない状況の中、バスティアニーニを抑え続けていた。ただバスティアニーニもプッシュしており、テールトゥノーズ状態で最終ラップへ突入した。

 バスティアニーニはバニャイヤを攻め立てて行くが、ターン4でマシンを滑らせる痛恨のミスを犯してしまう。最終コーナーに向けてバスティアニーニはもう一度追いついたものの、0.034秒とわずかな差で先んじたバニャイヤがトップチェッカー。ドゥカティのライダーとして初めて4連勝を達成した。

 2位はバスティアニーニ。来シーズンはドゥカティ入りが決まっているが、未来のチームメイトとの激しい戦いぶりに拍手が送られた。3位はビニャーレスで、今シーズン3度目の表彰台だ。

 ランキング首位のクアルタラロは最終的に5位でフィニッシュ、アレイシ・エスパルガロは6位フィニッシュだった。なおランキング首位はクアルタラロで変わらないものの、4連勝を果たしたバニャイヤが2番手(30ポイント差)に浮上。アレイシ・エスパルガロが3番手(33ポイント差)となっている。

 日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は22番手と後方からのスタートだったが、最終的に15位でフィニッシュ。ポイントを獲得した。なおジョアン・ミル(スズキ)の代役として参戦した渡辺一樹は21位でレースを無事完走した。

 引退レースのドヴィツィオーゾは12位でフィニッシュ。上位争いとはならなかったが、最後のレースでもポイントを獲得している。なおフィニッシュ後にはファンが彼を称える多くのフラッグを並べた。