メルセデスのルイス・ハミルトンにとってF1オランダGPは、優勝のチャンスがあったものの戦略が噛み合わない悔しいレースとなった。

 バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が1コーナー手前でストップしたためセーフティカーが出されると、トップを走っていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はピットに入ってハードタイヤからソフトタイヤに交換した。一方でメルセデスの2台はステイアウトを選択し、一旦はハミルトンとラッセルがワンツーとなった。

 しかし、フェルスタッペンの1周後にラッセルもソフトタイヤに交換。これでハミルトンはフェルスタッペンを背後に従える形でリスタートを迎えた。ハミルトンも10周ほど前のバーチャルセーフティカーの際にタイヤをミディアムに交換しているとはいえ、フレッシュタイヤのフェルスタッペン相手ではなす術がなく、リスタート直後にあっさりオーバーテイクを許してしまった。

 最終的にラッセルやシャルル・ルクレール(フェラーリ)にも交わされ4位でレースを終えたハミルトン。彼は無線で次のように話し、チームの戦略に不満を爆発させていた。

「君たちがこんな形で僕のことをめちゃくちゃにするとは思わなかった。僕が今どれだけ怒ってるか言葉では言い表せない」

 ただレース後にハミルトンはチームに謝罪し、終盤は優勝を争っていたために感情に流されてしまっていたことを認めた。

「僕の感情は限界ギリギリに達していたので、チームに申し訳ないことをした。というのも、僕は何を言ったのかすら覚えていないし、一瞬我を忘れてしまったんだ」

「でも彼らはそこに多くの情熱があることを分かっていると思うし、楽観的に考えたい。僕たちは前回から苦労していたけど、今回はレッドブルと戦うことができて、その多くで彼らよりも速く走ることができた」

「セーフティカーが出ていなければ、1ストップ作戦で優勝を争うことができたと思うし、それは他の人たちにはできなかったことだと思う」

「多くの素晴らしいものを得ることができた。マシンはようやくうまく機能するようになったし、今後も同じようなことができれば、彼らを悩ませて、優勝することができるだろう」

 メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、クールダウンラップの無線でハミルトンに対し、この件についてはレース後に説明すると話していたが、チームは安全策をとるよりもハミルトンとラッセルの戦略を分ける賭けに出ることで優勝を狙っていたという。

「優勝に近付いていたのにやられてしまうというのは、ドライバーにとって非常に感情的なことであり、様々な感情が表に出てきてしまうものだ」とウルフはSky Sports F1のインタビューで語った。

「コックピットの中にいるドライバーは孤独であり、何が起きているのか分からない。あの時我々は、レースで勝つためにリスクを冒すかどうかという話をしていた。そう、我々は結果的にリスクを冒したのだ」

「彼(ハミルトン)は(フェルスタッペンより)5周オールドのミディアムタイヤを履いていて、ポジションをキープすることは正しいことだった。最終的にはうまくいかなかったが、2位や3位でフィニッシュするよりも、ルイスと共に勝利を手にするためにリスクを負う方が良かったのだ」